DSも2画面、Wii Uも2画面
テレビと手元の2つの画面を使ってゲームができるのが、大きな特徴です
Wii Uというハードがどういうものか知った時に、そんな感想を抱いた人はいませんでしょうか。任天堂が2012年12月8日に発売したWii Uは、Wii U GamePadというタッチパネルつきコントローラーが標準装備されているのが最大の特徴で、テレビとWii U GamePadの2画面で遊ぶことができます。このハードのことを知った時、DSでも2画面で、片方がタッチパネルで、おんなじじゃないか、と思った人がいるのではないかと思います。
実は、DSシリーズの2画面と、Wii U GamePadの2画面は、モノとしては似てますが、ゲーム体験としてはかなり違います。しかもそれはハイビジョンで映像が美しいとか、そういう話ではありません。
端的に言えば、DSは2画面を同時に見ることが可能で、Wii Uは同時に見ることが難しい、という違いです。少しくどくなりますが、もう少し正確に言い直しましょう。DSは2画面を同時に見たり、あるいは素早く切り替えて見ることが容易で、Wii Uは片方の画面を見るともう片方が完全に視界から消えてしまう場合が多く、同時に意識するのが難しい、という感じです。
同時に見難いのでは意味が無いんじゃないか、と思うかもしれません。実際、ゲーム以外の実用的なデバイスであればそうかもしれません。でも、ゲームに限っては、必ずしもこれがデメリットにはならず、むしろメリットにもなりうるのです。
DSの2画面とWii Uの2画面の違い
DSの2画面と違い、Wii Uのに画面は、テレビと手元で、位置関係が離れています
それでも、例えば上の画面と下の画面にまたいだ絵を表示すれば、プレイヤー側が2画面を意識して見るので、同時に見ることが可能です。また、ちょっと視線を移せば上下に意識を切り替えることも可能です。なので、DSのゲームには、両方の画面を同時に見るような演出であったり、上画面と下画面をプレイヤーが視線をうつしながら見てゲームに必要な情報を得るような構造のゲームがたくさんあります。
一方で、Wii Uはどうでしょう。Wii U GamePadの画面を見ると、プレイヤーの意識はテレビから完全に離れます。Wii U GamePadを自然な形で持って、手元の画面を見れば、斜め下を見るような姿勢になります。テレビは多くの場合プレイヤーに対してまっすぐ前にあります。なので、視線だけを動かして上下を見ていたDSと違い、Wii Uの場合は、顔を上下させて2つの画面を交互に見ることになるのです。もちろん、顔を動かすといっても、ほんの少しです。でも、画面を見るという意識の上では、そのほんの少し動かさなければ見えないという違いが、大きな意味を持つのです。
こうして考えると、おそらくDSと同じ感覚で2画面を使うとWii Uではうまくいかないことがある、というのが想像つくかと思います。逆に、このうまくいかないことを利用すれば、新しい遊びも生まれます。