「國酒プロジェクト」、3つのミッション
さしつさされつ、これが國酒の正式マナー
プロジェクトの目的は3つ。
1、成長戦略
海外の日本食ブームとともに、海外で國酒をもっと飲んでもらうこと。
2、地域活性化
國酒や食を目的に、海外からたくさんの観光客に来てもらうこと。“地元”で國酒を飲んでもらうこと。各地域の酒蔵や温泉・宿を旅する「酒蔵ツーリズム」を体験してもらうこと。
3、日本文化の振興
國酒やそれにまつわる食の魅力をもう一度見直すこと。
さわやかな焼酎はソーダや水で割ればアペリティフにもなる
また、やり方によっては、フランス料理にイタリアン、中国料理にエスニックまで、國酒は、実にバラエティー豊富に、柔軟性を持って提案できる酒でもある。
たとえば、生ガキに辛口の純米吟醸、ボッタルガ(からすみ)のパスタに山廃純米、白カビチーズには甕寝かせの米焼酎、フカヒレの姿煮には日本酒古酒、フルーツタルトには大吟醸、チョコレートには樽熟成の麦焼酎といった具合にだ。
最も効果的な組み合わせはチーズとだ
ニッポンの國酒だってそれができるはず。つまり、國酒は、海外からのお客様を呼べる「観光資源」といえるのだ。各地の観光地に國酒目当ての観光客が増え、國酒の売り上げが向上し地域も活性化すると、長い目で見れば、原料の使用量が向上し、よりいい原料を作ろうという農家が増えることにもつながるだろう。
プロジェクトの陰に問題点
日本料理と共同歩調をとる日本酒
まずは、日本酒・焼酎の定義だ。日本人にもわからない複雑な表示や種類に酒税法。純米酒と本醸造の違い、甲類・乙類・混和焼酎の違いをどう説明するのか。品質やブランドに厳しい外国人が見ると困惑するし、輸出入の大きなネックにもなっている。
また、お客様を迎えるためには、蔵やその周辺、宿泊施設に飲食店。大中小範囲のオペレーションにインフラを含めた「お迎え体制」をしっかり整える必要がある。「酒蔵ツーリズム」という響きは魅力的だけど、お勧めの酒の説明ができないスタッフや間違った品質管理、連携のとれていない蔵や宿、交通の便の悪さ(これは逆に魅力になることもあるが)などなど少し見回すとすぐに浮き出てくる問題点がある。
これらを解決するには時間がかかるだろう。