骨董街にある「老松 喜多川」
「老松 喜多川」の外観
大阪の司法、報道、文化、芸術の中心であった中之島。最近ではフェスティバルタワーの完成で注目が集まっているのは皆さんもご存じですね。中之島には幾多の美しい橋が架かり、「水の都」の景観を形作っている訳ですが、その「八百八橋」の中でもひときわ美しい石造りの橋がレトロな中之島図書館の北側に架かる「水晶橋」。この橋を渡った北岸一帯が、今回ご紹介する料理店のある「老松町」。裁判所をぐるっと取り囲むように骨董街と弁護士事務所がひしめく、大阪でも古き佳き時代の文化の香りに浸れる取っておきの地域なのです。
この骨董街のとある通りに溶け込むように、2012年6月に開店したのが「
老松 喜多川」。料理長の「喜多川 達」さんは京都祇園の名店で2年間、ついで豊中の名店「一汁二菜 うえの」に移転されて約6年間腕を揮われ、最後は料理長を務めておられましたが、今回念願の独立を果たされたという訳です。
店内までのアプローチも風情あります
土壁に白木の門と白い暖簾がすがすがしい表玄関から趣のある石畳のアプローチを奥に進み、左奥にある玄関を入ると、右手に広々としたカウンターが鎮座しています。割烹によくあるカウンターとは異なり、座席の後ろにはゆったりと広い空間があり、何ともいえずほっこりと贅沢な空気が漂っています。
個室もあります
カウンター以外にも玄関の左手にある個室もあり、大きなテーブルがどーんと置かれた個室は最大6人掛け、2人なら十分過ぎる広さです。うぐいす色の聚楽壁に目の細かな網代天井、奥には床の間さながらのアルコーブの壁にはすっくと屹立する一輪挿し、右手の壁には篠原奎次さんの手になる版画がさりげなく架けられて、和のしつらいを引き締めています。
また、きびきびと感じの良いサービスを担当されるのは奥様。飾らない明るい笑顔も何よりのご馳走です。
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昼のコース料理を御紹介していきます。