築10年目のメンテナンス&リフォームで、家の寿命や掛かる費用が変わる
築10年目はこの先の我が家の未来につながる最初のターニングポイント。
家は定期的に点検をし、メンテナンス&リフォームをすることで、寿命を延ばし、長く快適に住み続けることができます。
現在の木造一戸建て住宅の平均建替え年数は約30年と言われていますが、実はそれはとてももったいないこと。定期的なメンテナンスとリフォームをしていれば、70年~80年以上は十分に住み続けることが可能です。
その最初のターニングポイントになるのが、築10年目です。住宅は、木、金属、樹脂など様々な材料で構成されていて、それらの寿命が最初に集中するタイミングが築10年目です。材料の寿命と言っても、その瞬間にすぐ壊れるのではなく、その時期を過ぎると劣化が加速すると考えるとわかりやすいと思います。
例えばモルタル壁の塗膜やサイディングの目地の耐用年数は一般的に10年前後ですが、その耐用年数を過ぎたまま放置しておくと、劣化が進み、中に水が入ってしまえば補修に余分な手間が掛かるようになります。壁にしても屋根にしても、構造部分まで劣化が進んでしまうと、その補修費用は増大します。
実際にあったケースで、築10年目にメンテナンスのリフォームをさぼってしまったせいで、築20年目を超えたあたりで補修費用として余分に数百万円掛かってしまった家がありました。
また劣化が進み過ぎてしまい、補修では費用が掛かり過ぎるので、建て替えを選択せざるを得なくなった家もあります。築10年目はコレカラ先の家の寿命や、掛かる費用を決める大切な曲がり角の時期にあるのです。
築10年目でやっておきたい外まわりのメンテナンス&リフォーム
鉄部は腐食が進むと溶接工事が必要となり費用が増大するので、腐食前に再塗装を。
- 外壁のモルタルの点検&再塗装(塗料や材質により時期は異なる)
- サイディングの目地の再シーリング
- サッシまわりの再シーリング
- 屋根の点検・メンテナンスもしくは塗装
- 防蟻工事(基本は5年毎、地域や薬剤により時期は異なる)
- バルコニーや屋上の防水工事
- 屋外木部・鉄部の再塗装・補修(基本は5年おきを目安に)
- シャッター機械部のオーバーホール など
外まわりで忘れずに押さえておきたいのが、防水と蟻害対策です。中に雨水が入り込まないように防水部の確認をし、床下は腐食や蟻害の確認をして、必要があればメンテナンス&リフォームを行いましょう。
特に外壁塗装リフォームは、住まいのメンテナンスの中でも基本となるものです。定期的な塗り替えによって我が家を美しく保ち、家の寿命を伸ばすことができます。基本のノウハウは下記で詳しくご紹介していますのであわせてご覧下さい。
内部のメンテナンス&リフォームは機器の点検や交換が中心
2008年以降のガスコンロには全てのバーナーに調理油加熱防止装置が付いている。10年経っていたらそろそろ交換の時期。
- キッチンのコンロのメンテナンス・交換
- 給湯器のメンテナンス・交換
- 換気扇類のメンテナンス・交換
- 食器洗い機のメンテナンス・交換
- 浴室の再シーリング
- サッシ戸車やクレセント鍵の点検・交換
- 玄関ドアの蝶番や鍵の再調整・交換
- 室内ドアの再調整 など
機器類の耐用年数は10年が目安です。今まではしなかった異音や水漏れを見つけたら、すぐにメンテナンスか交換リフォームをしましょう。
ガス給湯器も10年を過ぎたらそろそろ交換時期です。給湯器の故障はいきなりやってくるのであわてないよう、一歩早目を意識しておくといいでしょう。給湯器の交換の10年後には、今度は浴室リフォームの時期がやってきます。将来を見据えての給湯器選びは下記で詳しくご紹介していますのでご覧になってみて下さい。
メンテナンス&リフォームのための積立貯金をしておこう
家は建った瞬間がゴールではなくてスタート。リフォームのための積み立て貯金をしておこう。
築10年目は家のローンや教育費などで、費用の捻出が難しい時期と重なりがちです。しかしせっかく大金を掛けて建てた大切な我が家。大事な財産をしっかり守るためにも、点検やメンテナンス&リフォームの費用を確保しておくことを忘れないようにしましょう。
メンテナンスリフォームでの失敗事例と、営業トークに惑わされずに必要なリフォームを見極める方法は下記でご紹介していますので、あわせてご覧下さい。
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