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判断能力を欠く人の資産管理と後見制度支援信託の関係(2ページ目)

認知症や知的障害等で判断能力を欠く人の保護・支援のために成年後見制度が導入されましたが、それを担う後見人らによる資産の流用などが多発しています。その対策として最高裁判所は「後見制度支援信託」を導入することにしました。利用できる人や使い方など、ぜひ知っておいて欲しいことをまとめました。

大沼 恵美子

執筆者:大沼 恵美子

貯蓄ガイド

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ストップ・ザ・後見人の不正行為!

認知症などで判断能力を欠く状況にある人(後見)を保護・支援するために選任された成年後見人らが、その財産を使い込むといった不正行為が多発しています。最高裁判所の調査によると、2010年6月から2012年3月の22ヵ月間の発生件数は538件、被害額は約52億6000万円にも上りました。そこで、不正防止対策として最高裁判所は「後見制度支援信託」を2012年2月から導入しました。利用できるのは法定後見制度の「後見」だけです。「保佐」や「補助」、また「任意後見」は利用することができません。

裁判所の指示書で金銭を信託

後見制度支援信託は、家庭裁判所の指示書により「後見」が必要な本人の財産のうち日常的支出に必要な金銭を預貯金等として親族後見人が管理し、当面使わない大口の金銭を信託銀行等に信託する仕組みです。

信託銀行等は契約で定められた一定額(=定額交付金)を親族後見人が管理する預貯金口座に交付します。それ以外の引き出しや信託の追加、解約などには家庭裁判所の指示書が必要となるので、親族後見人の不正を防止することができるというわけです。また、定期的に信託銀行等から信託金の残高や収益金に関する報告書が本人や後見人に交付されるので、本人の資産管理に関する親族間のトラブル回避にも役立ちます。
後見制度支援信託undefined信託期間中のイメージ図

信託協会の資料「後見制度支援信託とは」を参考に筆者が作成


>>後見制度支援信託契約締結の流れを次ページで解説します。

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