単なる懐古趣味ではない、未来を鋭く見つめる一足!

ボタンドブーツ

AUTHENTIC SHOE & Co.復活の火蓋を切るべきは、やはり竹ヶ原氏が大好きなボタンドブーツでしょう。古典的なものをないがしろにしないからこそ見えてくる、絶対的な新しさ。昨今ブームの二色使いではなく敢えて凛々しい黒一色とした点に、自信の程が伺えます。9万7650円(GALLERY OF AUTHENTIC TEL:03-5412-6908)

「今日の日本的な装いの原点とは?」を意識してデザインされた今シーズンの作品の中で、最も象徴的な一足であるボタンドブーツから、まずはご紹介致しましょう。「ボタンアップブーツ」とか「グランパブーツ」とも呼ばれるこれは、ボタンを留めて足に固定する意匠が一大特徴で、19世紀中後半から20世紀初頭まで欧米で絶大な人気を集めたもの。確かにその時代は、西洋の履きものである「靴」が文明開化の波を受け我が国に浸透し始めた時期と見事に重なります。

先端が盛り上がったつま先の形状は、当時の写真やイラストで暫しお目に掛かるこの当時の典型的な様式です。なのに竹ヶ原氏の手に掛かると、年老いた古臭さを全く感じさせず、むしろ斬新にすら見えてしまう不思議……。このつま先とヒールカーブの曲線とが、靴の前後で調和したリズムで波を打っていて、何と言うのか、安定感がありながら必要以上に堅苦しさを感じさせないのです。今日ワークブーツの領域ではお馴染みとなった「バブルトウ」の起源と言えるトウシェイプなので、その種の靴が好きな方にも違和感なく受け入れられるはずです。
ボタンドブーツの後ろ姿

後ろから迫ってみました。トウシェイプとヒールとの曲線が、綺麗に響き合っているのがお解りいただけるでしょう。そのリズムを受けるように、ボタンの付いた羽根にも絶妙な位置に一箇所だけ「刳り」が入っているあたりに、美意識の高さを感じずにはいられません

ボタンドブーツはアッパーの縫製が面倒で、特に革にボタンホールを縫い付けるのが至難の業。それ故、誂え靴のアトリエでももはや作製お断りの所が多いのですが、この靴の風貌はそんな苦労を全く感じさせず、言わば自らの多大な努力や奮闘を隠し通す、クールながらも優しい一面を有しています。木型の全体的な造形も現代の日本人の足型の変化をしっかり考慮に入れてあるので、懐古趣味的にではなく、敢えてスリムなデニムパンツなどと何気なくサラッと合わせた方が、理知に満ちた魅力が引き立ちそうです!

【商品案内】
 「ボタンドブーツ(BUTTONED BOOTS)」
・色: 黒(素材はイタリア製ベビーカーフ
・底材: レザーソール+CAT’S PAWラバーヒール
・製法: グッドイヤー・ウェルテッド
・サイズ: 23.0~28.0cm
・価格: 9万7650円


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