セクシュアルマイノリティ・同性愛/ゲイライフ

喜びも悲しみも…「ふつう」じゃないゲイの1週間(6ページ目)

みなさん、10月の3連休はいかがお過ごしでしたか? ゴトウはドトウのような日々でした。思うところあって、この3連休を中心とした1週間のことを、日記風に書いてみたいと思います。

後藤 純一

執筆者:後藤 純一

同性愛ガイド

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10月11日(木)

アキラ・ザ・ハスラー「ふつうのくらし」@オオタ・ファイン・アーツ

アキラ・ザ・ハスラー「ふつうのくらし」@オオタ・ファイン・アーツ

たまたま仕事が休みになり、先月から行こう行こうと思っていながらなかなか行けなかった、アキラ・ザ・ハスラー「ふつうのくらし」という個展を観に行きました。(本当はしげちゃんに勧められた『ピーター・グライムズ』も観たかったのですが、朝行ったらすでに当日券が売り切れていたのです)
アキラくんは、HIVについてのメッセージを伝えるアート作品を発表したり、クラブイベントを開催したり、バイターズというユニットでの活動を経て、『売男日記』(イッシプレス)という本を発表し、ワタリウム美術館でパーティを開いたり、個展を開催したり、海外にも招聘されたりというアーティストです(『美術手帖』とかにも載っています)。僕が16年前、六本木のクラブで(映画祭のプレパーティだったと思います)初めてショーをやったとき、彼も出演していて(すでにベテランの風格でした)、同い年だったり、学生時代に僕が住んでたところと彼の家がすぐ近所だったりということもあって、仲良くさせていただいたのでした。

髪がのびてなんだか山男みたいな風貌になっていたアキラくんは今、熱心に脱原発デモに参加していて(雑誌や新聞にも載っています)、今回の個展も、もはや安全とは言えなくなったこの国で「ふつうにくらす」ことのかけがえなさとか、「命を守れ」と声を上げる人たちの美しさを伝えるような作品でした。HIVのこともそうですが、彼は一貫して「いのち」にかかわること、「いのち」を祝福し、愛でることを、彼らしい、やさしくて、セクシーで、誰もが素直に好きになれるような、笑顔で楽しめるような「贈り物」として世界に生み出してきたと思います。

誰もが、誰かとつながっている。決して独りじゃない。赤い糸は、必ずしも好きな人とばかりつながってるわけではないけれども、それでもつながっていて、僕らは「ふつうのくらし」をしている。喜びも、悲しみもたくさんある。そんなメッセージが、僕とつながってくれているかけがえのない人たちや、東北の地で一生懸命生きている友達や、40年もつきあってきたカップルや、亡くなった友達のことと瞬間的にシンクロして、なんだかちょっと泣けました。

とてもしあわせな気持ちになれたと同時に、ある種の勇気をもらえました。アキラくん、ありがとう。
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