いよいよクライマックスの噴泉塔群まであと少し。でもその前に、川を渡らなければなりません。靴を抜いで膝までズボンをまくりあげて冷たい川に入ります。水位があがると渡れませんので、事前に確認が必要です。さあ、再び靴を履いてゴツゴツした岩場をたどっていくと、そこに見えてきたものは……
対岸に見える噴泉塔は高さ約1.5メートル。巨大な筒の頂上にある穴からシュワーシュワーと音を立てながら、絶えず熱泉を吹き上げています。その絶え間ないエネルギーを目の当たりにするだけで、体の内側からパワーがみなぎってくる気がします。この他にも、大小の噴泉塔が川床に連なり、熱泉と共に落ちる緑の養分がビロードのカーテンのよう。「ここは地球か?」と疑うくらいの衝撃と感動が得られるはずです。
さて、河原で一休みしていきましょう。石で囲って即席足湯を作ってみてもいいですね。帰りは急な登り坂。宿に戻ったら、その達成感と感動とともに温泉とビール(ノンアルコール)が待っていますよ!がんばりましょう。
旅館の日帰り湯は700円。朝に出発すれば、戻ってくるのは昼時。宿の昼食メニューには、クマの刺身にクマ丼が!なかなか味わえない珍味をチャレンジしてみてはいかがでしょう。苦手な方はナメコ丼やイワナ定食もありますので安心してくださいね。
その価値はプライスレス
山崎旅館は一泊二食付きで、本館10000円~、別館(トイレ付)14000円~。携帯電話は玄関付近でしか通じませんし、華美な設備もありません。しかし、その料金にして満足度はかなり高いと思います。なぜなら、温泉にしても噴泉塔群にしても、「そこにしかないもの」があるから。悪路に雪に厳しい条件が重なり、旅館経営は大変なことが想像できますが、復活を遂げた旅館は、確かな自信を覗かせている感じもします。
玄関前には、この険しい湯の道を切り開いた初代の銅像が。新鮮な花を手向け手を合わせる仲居さんの姿に、この旅館の歴史と白山の人々の温かさを見た気がします。近々、この山崎旅館の物語をつづった本が出版されるそう。読んでから訪ねれば感動も一潮かもしれませんね。
雪が深いため、宿の営業は白山が開いている期間と同じ。年内(2012年)の営業は11月10日まで、再開は翌年の7月頃の予定です。今年を逃したらまた来年。力強い白山のパワーをチャージしに出かけませんか。
■白山麓 新岩間温泉「山崎旅館」
住所:石川県白山市尾添ム4-1
TEL:076-256-7950
地図:Yahoo!地図情報
営業期間:2012年度は7/1~11/10(土)※白山の山開きと同期間
公式ブログ:http://ameblo.jp/iwama-onsen/entry-11242727812.html
冬期問合せ先:一里野高原ホテルろあん(姉妹ホテル)
TEL:076-256-7141
■関連リンク
・白山ひめ神社
http://www.shirayama.or.jp/
・岩間の噴泉塔群
http://hakusan-no-megumi.jp/nature/nature_detail.php?P=61