実は怖い顎関節症
顎関節症はアゴの関節やそれを支える筋肉や靭帯、神経の不調によって起こるさまざまな症状をいいます。また、アゴの関節を動かす筋肉は首や肩とつながっているため、負担がかかりすぎると、顔や首、肩の回りの筋肉などにも悪影響が。そのためアゴの症状だけでなく、頭痛、肩や首の凝り、手足や腰のしびれ、めまい、耳鳴り、胸の痛み、鼻詰まり、吐き気、食欲低下、疲労感、イライラ、不眠など症状が全身におよぶこともあります。つまり顎関節症は、単なる関節の病気ではなく、悪化すると全身の不調につながってしまう病気なのです。
顎関節症の症状
・顎関節や咀嚼筋の疼痛(何もしなくてもアゴが痛む。口を開けたり食べる際にアゴが痛む)・関節雑音(動かすとポキン、カクンと音がする)
・開口障害(口が開きにくい、開かない)
・耳痛、めまい、頭痛、肩こり
アゴに違和感を感じたら顎関節症かも!?
軽い症状でも放置しておくと、ある朝起きたら突然口が1cmほどしか開かなくなっていたということも。重症になると食事がとれなくなって、手術しなければならないこともあります。症状が1週間以上続く場合、またあごの鳴る音が変わってきた、痛みがひどくなった、指2本分が開けづらくなった時は、顎関節症に詳しい歯科口腔外科を受診しましょう。
女性に多い!?顎関節症の原因
顎関節症の原因は、実ははっきりとは分かっていませんが様々な要因が複合していると考えられています。精神的ストレス、アゴに過剰な負担をかける食いしばりなどのクセ、かみ合わせの異常や習慣的因子(寝違え、ほおづえ、大きくあくびをする)など。これらが積み重なって許容限度を超えた時に起こります。女性に多い理由としては、女性の方が筋肉の緊張やストレスに対して感受性が高く痛みに敏感、骨格や靱帯が弱い、女性ホルモンに関係がある、などの説があります。該当する人は要注意! 早めに改善を
具体的には以下のようなことが重なり合って発症することが多いため、該当する項目の多い人は、注意して早めに改善しましょう。・歯ぎしり、食いしばり、歯をカチカチと鳴らすクセがある
・すぐに頬杖をつく、姿勢が猫背、うつむきがち、うつぶせ寝のくせがある
・ストレスがある
・左右どちらか一方ばかりでかむ
・歯並びが悪い、歯の不適切な治療などによりかみ合わせが悪くなっている
頬杖や歯ぎしりのクセはありませんか?
日常生活で気を付ける点としては、硬いものを食べない。食べ物は両側の歯を使って噛む。頬杖やうつぶせ寝などアゴの片側だけに負担をかけない。他にも積極的にアゴのマッサージを取り入れるのも、予防対策として有効です。大切なのは、クセを日頃から自覚して気づいたら改めること。再発を防ぐためにも、症状が治まってもケアを続けていきましょう。