決定!グッドデザイン賞2012年
「インタラクション」や「仕組み」の視点で審査
グッドデザイン賞は、1957年に旧通商産業省が創設した「グッドデザイン選定制度」 を継承し、財団法人日本産業デザイン振興会が運営する日本で唯一の総合的なデザイン評価・推奨制度で、今年で56年目を迎えます。2012年では、これまでになかった新たな取り組みとして「インタラクション」(相互作用性)と「仕組み」といった視点に立って審査が行われました。その背景には、デザインと産業の関り方の変化があるようです。モノづくりにおいて、環境や公共性といった観点も重要視されるようになっています。デザインが真に暮らしを豊かにできるのか、産業変化を好ましい方向に導くのかといった点で、「インタラクション」や「仕組み」について評価する意義が出てきたとのことです。
ここ数年も、広義のデザインとしてマンションそのものだけでなく、企業の取り組みなども受賞していましたが、今年はより顕著になっています。2011年では、野村不動産の『マンションコミュニティーのためのデザイン手法100』や、伊藤忠都市開発の『コミュニティバッテリーシステム』(クレヴィア二子玉川で導入した太陽光発電+蓄電池システム)、三井不動産の『柏の葉キャンパスシティにおけるCO2見える化プロジェクト』などが受賞しています。
2012年の分譲マンションでの主な受賞作をまず紹介します。
―――主な2012年グッドデザイン賞入賞マンション(分譲マンション)―――
◆サンクタス川崎タワー ・・・オリックス不動産(スタイレックス)
◆ブリリアレジデンス六甲アイランド ・・・東京建物 東急不動産 新日鉄興和不動産
◆ザ・パークハウス 茅ヶ崎東海岸南 ・・・三菱地所レジデンス
◆ザ・パークハウス 六番町 ・・・三菱地所レジデンス
◆プラウドシティ稲毛海岸 レジデンス街区+シーズン街区 ・・・野村不動産
◆プラウド伊丹郷町レジデンス、ジオ伊丹ザ・レジデンス ・・・野村不動産 阪急不動産
◆デュフレベース南麻布 ・・・サジェスト(佐藤宏尚建築設計事務所)
◆クレヴィア緑地公園ザ・レジデンス ・・・伊藤忠都市開発
◆イニシア本蓮沼駅前 ・・・コスモスイニシア
◆ライオンズ町田マークスフォート ・・・大京
◆エクセレントシティ大森 ・・・新日本建設
◆ファインレジデンス氷川台 ・・・京阪電鉄不動産
◆ルフォン井の頭公園 ・・・サンケイビル
※( )は、事業主とともに受賞した企業や設計事務所 受賞マンションを見ると、暮らしやすさを考えた独自のデザインを採り入れています。例えば、サンクタス川崎タワーでは、高層階に空中庭園を設けコミュニティを育むきっかけを装置として採り入れています。プラウドシティ稲毛海岸は、マンションと戸建街区と商業施設、集会室で構成され、3つの公園も設けられています。こうしたスペースをイベントなどで活用することで、居住者のコミュニティの創造を支援しています。また、中規模マンションのライオンズ町田マークスフォートは、列柱と緑を組み合わせた外構で街に潤いを提供しています。またバルコニー面のファサードデザインを上手く組み合わせ街の魅力も高めています。
次のページではマンション単体以外の受賞を紹介します。