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プロ野球場の照明(2ページ目)

スポーツ観戦が好きな方は多いかと思いますが、競技場の建物や照明に注目される方は少ないかと思います。今回は、スポーツ施設の照明設計がどのように行われるかを簡単にご説明しています。

中島 龍興

執筆者:中島 龍興

照明ガイド

野球場の明るさと均斉度

均一な光でボールが見やすい

写真3.均一な光でボールが見やすい

JISの照度基準を参考にすると、プロ野球場の内野で平均照度2000lx、均斉度0.75となっているので、最小照度1500lx以上が推奨されています。視覚的な明るさでは、照度が高くなるにつれて明暗差がわからなくなります。

2000lxと1500lxの違いは視覚的にはほとんどわからないので、均一に見える空間となります。逆に、照度が低いと明暗差が敏感に感じるため、例えば10lxと50lxでは明るさが全く違って感じます。

2000lxといえば、明るめのショッピングセンターや量販店の商品の照明などと同じぐらいですが、日中の明るさと比較すると、夏場の昼間の直射日光で10万lx、木陰で1万lx程度なので、太陽光の明るさは格段に明るいことがわかります。西武球場のドーム中央部分は拡散した太陽光がとり込める膜屋根となっており、デーゲーム時は、全体の照明の1/3~2/3の点灯で運営されているそうです。

野球場の照明設備

写真4.野球場の照明設備

スポーツ競技では人やボールの見え方など鉛直面(高さ方向)の明るさが重要で、照明設計時に鉛直面照度や半円筒面照度※を計算します。スポーツ施設以外でも、通行人の顔の見え方が重要となる道路照明では鉛直面照度が規定されています。もちろん住宅や店舗などでも、壁面や棚など鉛直面の明るさが、視覚的な明るさ感を左右しています。

光源は、テレビ映りも考慮すると、演色性が高いものが適しており、器具は、選手や観客が眩しさを感じにくいことが求められます。2011年は震災後の節電のため、ナイターゲームが中止になるなど、スポーツ施設の電力消費などが問題なりました。最近では、スタジアムの屋根に太陽光パネルの設置が計画されているところもありますが、今後は環境対策も課題となることでしょう。

一般的な場面の照度

図1.参考照度

※鉛直面照度は、壁面などの鉛直面の平面的な照度を表し、半円筒面照度は、人の顔など立体物の照度を表す時に用いられます。
資料協力:岩崎電気株式会社

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