植木・庭木/庭木・花木の種類と育て方

庭木・花木の植え方……樹種選びのポイントも解説!

今回は、庭木・花木の選び方と植え方についてご紹介します。草花だけでなく、庭木や花木もガーデニングの重要なアイテムです。庭を立体的に演出してくれる「木」。庭木を主役に迎えてみることで、今までとは違った風景が見えてきますよ。ぜひ参考にしてみてください。

畠山 潤子

執筆者:畠山 潤子

ガーデニングガイド

庭木・花木の植え方

庭木・花木の植え方

 

庭木・花木の植え方! 植える木を選ぶ

リンゴなど果樹も魅力的だが、小さな庭では枝張りがスリムな品種を

リンゴなど果樹も魅力的だが、小さな庭では枝張りがスリムな品種を

庭に木を植えようと思ったとき、花や紅葉を楽しみたいとか、実がなる木が良いとか、木を選ぶ基準はいろいろあります。なかでも一番のポイントは、地域の気候や環境にあった木を選ぶということです。庭木は小さな草花と違い、そう簡単に植え替えられるものではないからです。単に花が可愛いから、実がなるからと闇雲に木を植えると、後で大変な事になりかねないので、樹種選びにはじっくり時間をかけましょう。
 
植え場所と目的を明確に

植え場所と目的を明確に

また、どんな場合も忘れてはいけない点は、木を植える場所と目的を明確にしておくことです。例えば「勝手口前の目隠しに」というのであれば、常緑のヒバの類や落葉してもあまり透けないドウダンツツジなどを、「玄関前にシンボルツリー」をというのであれば株立ちの姿が美しいハナミズキやナツツバキ……というように、植え場所と目的によって樹種を絞り込んでいくことができるからです。

 
なお、どんな木が地域の気候にあっているのかは、ご近所のお庭が参考になるはずです。また苗木を取り扱っているお店であれば相談に応じてくれるはずですから、お店の方に一声かけてみてはいかがでしょう。
 

庭木の植え方

植え穴は、根鉢よりも大きく掘る

植え穴は、根鉢よりも大きく掘る

庭木の植え方には、大別して「水ぎめ」と「土ぎめ」という方法があります。一般的には「水ぎめ」で植えつけることが多いので、ここでは水ぎめでの植え方についてお話ししましょう。

まず植え穴を掘ります。穴の大きさは、根鉢の直径の1.5倍くらいを目安にします。穴を掘ったとき、石などのガラや古根があったら取り除いておきましょう。

次に、植える木の向きを見ます。木にも「顔」があって、何度か向きをかえて離れてみると、「ここが正面だ」という所が見つかるはずです。正面が見つかったら、植え穴に木を置いてみましょう。
 
植え込みの際、埋め戻す土には腐葉土や堆肥などをすき込んでおこう

植え込みの際、埋め戻す土には腐葉土や堆肥などをすき込んでおこう

幹の付け根部分が地表部より少し上になるように、穴の中央部に土を盛って調節します。根鉢に巻かれた縄や麻布はそのままで構いません(ビニール紐など自然分解しないものは、取り除きます)。

 
木を据えつけたらその脇に支柱を立て、土を穴の八分目ほど戻します。木を植えてから支柱を差し込むと、根巻きに刺さって根を傷めることがあるので注意しましょう。また、幹に直接縄を掛けたりすると、強風時などで擦れて幹が痛んでしまいます。保護用の杉皮や幹巻きテープ等が売られていますので、その上から縄などで固定するようにします。
 
盛り土で水鉢を作ることで水の流出を防ぎ、根に水分がしっかり浸透する

盛り土で水鉢を作ることで水の流出を防ぎ、根に水分がしっかり浸透する

その後、ホースなどで水をたっぷり注ぎ込みます。土がドロドロのチョコレート状になるくらいが目安です。この状態で木を軽くゆすって植え穴全体に水をいきわたらせたら、樹の向きを再度確認して残りの土を埋め戻し、株の周囲を踏み固めます。

最後に株の周囲に高さ10cmほどの土盛りをして「水鉢」を作り、たっぷり水を注いで一連の作業は終わりです。
 
3月のお彼岸から4月上旬までは庭木の植えつけ適期です。庭を立体的に演出してくれる「木」。この春は、庭木を主役に迎えてみませんか? 今までとは違った風景が見えてきますよ。

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