重曹って何ですか?

重曹には「薬用」「食用」「工業用」など精製度によって価格差があります。掃除に使う分には食用レベルがあれば充分。約300グラム105円で100円ショップでも扱っています

重曹には「薬用」「食用」「工業用」など精製度によって価格差があります。掃除に使う分には食用レベルがあれば充分。約300グラム105円で100円ショップでも扱っています

今やエコ掃除と言えば重曹、重曹といえばエコ掃除、というくらい普通の家庭にもその名を浸透させつつある重曹ですが、重曹が一体何か?ということまでは未だ良く分からない、という方も多いのではないでしょうか。

実は、「重曹(じゅうそう)」は、「重曹」以外の呼び名を幾つも持っています。例を挙げれば、「ベーキングソーダ」「炭酸水素ナトリウム」「重炭酸ソーダ」「重炭酸曹達」「重炭酸ナトリウム」「酸性炭酸塩ナトリウム」……これらは皆「重曹」と同じモノ(化学名「炭酸水素ナトリウム」NaHCO3)を指しています。でもにわかに「炭酸水素ナトリウム」と訊いて「あっ、重曹ね」と合点できるものでは、ないのでは?でももしかしたら学生時代の化学の知識が蘇って来る方もいるかも知れません。

重曹は常温では白色の結晶の粉末状の形状をもっており、その水溶液はごく弱いアルカリ性(pH8.2)(2%、20℃時)を示します。この弱アルカリ性の性質は、「重曹は手荒れしにくく、安全」と言われるゆえんです。


こんなに使える重曹

重曹の粉末は、水には溶けにくい性質を持っています。常温の水ではおよそ8%で飽和水溶液になるのですが、お湯に溶かす場合はその限りではありません。ただ、加熱した水溶液(重曹水)は65℃以上で水と二酸化炭素と炭酸ナトリウム(別名「炭酸ソーダ」「炭酸塩」「ソーダ灰」)に分解し、炭酸ナトリウムにより強アルカリ性を示し、危険性が増します。加熱の際は、およそ50℃以上から注意が必要です。

研磨、鹸化、中和、消臭、発泡作用をもち、脂肪酸により弱酸性を示す住まいの油脂・皮脂汚れをよく落とし、肉や魚の腐臭など酸性の悪臭を中和して消臭する効果が期待できます。「弱アルカリ性で弱酸性の汚れを中和する」効果に加え、「水に溶けづらい」性質を活かした緩やかな研磨剤(クレンザー)としての効用と併せると掃除には効果的と言えるでしょう。

【リビング、寝室、子ども部屋】
  • 壁(ビニールクロス)の油煙、ヤニ汚れには重曹水(5%濃度で作成)をスプレーしたウエス(ぼろ布)で拭き取ります。
  • 床(合板フローリング、クッションフロア、Pタイル)は重曹水をさっとスプレーした後に速やかに拭き取り、固く絞った雑巾で濯ぎ拭き。カーペットも重曹水でしっかり濡らしてからよく絞った雑巾で表面を拭き上げます。
  • 照明器具の傘に積もった油煙混じりのホコリも重曹水をスプレーして湿らせたウエスで、配線部分に触れないよう気をつけてホコリを掻き取るように拭き上げます。電源は外しておきましょう。
【キッチン】
  • シンク、シンクと作業台との継ぎ目部分などは重曹(粉)をそのままかけてスポンジや古歯ブラシで汚れを掻き出すように磨きます。
  • 排水口入り口、内部、ゴミ受けカゴなどには、まんべんなく重曹をふりかけ、5~10分ほど置いてから古歯ブラシや古スポンジで擦って水で濯ぎます。少し時間を置くのが汚れを落としやすくするコツです。
  • コンロの焦げ付いた五徳汚れなどは、重曹+古歯ブラシで擦って落ちない場合、アルミ以外の鍋に濃度5%ほどの重曹水を張って火にかけた液中に入れて「煮洗い」する方法があります。ただし塗装が剥げる可能性があります。
【お風呂場、洗面所、トイレ】
  • 浴槽の喫水線(水面と接した部分のライン)に溜まる脂性の湯アカには、重曹(粉)を振りかけたスポンジを当て、あまり力を入れないで円を描くようにしながら擦っていき、お湯で濯ぎます。
  • 洗面所の水栓の付け根に溜まった汚れやシンクの曇り、排水口ヘアキャッチャー部分のカビ汚れなどは、重曹を振りかけて古歯ブラシで擦ると容易に落ちます。
  • トイレの便器内部には重曹(粉)を多めに振りかけ、できれば使い古しのスポンジなどで細部まで擦る体勢を取って、「縁裏」などを重点的に擦ります。
【玄関など】
  • げた箱(シューズボックス)の悪臭対策として、紙コップに重曹を1カップ分ほど入れ、げた箱の最下段の奥にセットします。左右二箇所ほどに置くのが望ましいです。
  • ベランダに置くエアコン室外機や住まいの壁面に付着した「ばい煙(車の排気ガスなどによる)汚れ」には、重曹水をスプレーして数分置き、水で濡らし絞ったウエスで拭き取る方法が効果的です。


重曹使用の注意点

重曹は魔法の粉などと呼ばれることもあるため、誤解されやすいのですが決して「万能洗剤」などではありません。間違った使い方をすることで、大事な家具や建具やファブリックを損なってしまう可能性もあります。以下の部分、素材には決して使用しないようにして下さい。

【変色の恐れがあるもの】
  • アルミ製品(鍋、食器など)
  • 畳、ゴザ(い草製品)
  • ジュート(黄麻)など天然繊維のラグやカーペット
  • 無垢材、白木のフローリング、桐など天然木の柱や建具など
  • 無垢材以外の塗装した木部分(出窓や腰高窓の枠など)
【塗装がはげる恐れがあるもの】
  • アルミ以外の素材の鍋や食器(擦り過ぎに注意)
  • 無垢材以外の塗装した木製の家具や建具(重曹付着のまま放置すると危険)
  • 重曹を直接触れさせなくても、近くのものの塗装をはげさせてしまうことがあります
  • 木材以外のプラスチック製などでも表面の塗装が重曹による研磨ではがれてしまうことがあります(特に白物家電に注意)
  • 重曹水を沸騰させて掃除に使用する際(ガスコンロの五徳や、レンジフードの部品を煮洗いして、)それらの塗装がはげてしまうことがあります
【体に及ぼす影響】
  • 重曹を触って指先がヌルつくのは、重曹が指先の皮膚のタンパク質を溶かすためです。皮膚が敏感な方や弱い方は扱いに注意しましょう
  • 重曹水が50℃以上になったものは、強アルカリを示すため、素手で扱うと危険です
  • 「口に入れても平気」とは言われますが、わざわざ多量に食べてはいけません。体内の血液のpHの均衡が崩れる恐れがあり、特に乳幼児の誤食、誤飲には充分注意しなければいけません
  • 重曹は白い結晶の粉末状で購入することが多いものですが、この粉末を吸入してしまうことで呼吸器を傷めたり、喘息を悪化させることがあります
  • 重曹粉末、重曹水などが誤って目に入ってしまった場合、刺激があり結膜炎などの原因になることがあります
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