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「社会保障と税の一体改革」で年金はどう変わる?(2ページ目)

先日、社会保障と税の一体改革が成立しました。消費税の増税以外に年金制度についての法案も複数成立しています。そこで、一体改革によって年金制度がどのように変わるのか見てみたいと思います。

和田 雅彦

執筆者:和田 雅彦

年金ガイド

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公務員も厚生年金に加入することに
但し、職域加算は名を変えて残る!?

さて、次に「被用者年金一元化法」についてです。これはいわゆる2階部分の年金(厚生年金、共済年金)を一元化するというもので、国家公務員共済、地方公務員共済、私立学校教職員共済について、平成27年10月をもって厚生年金に統合されることになりました。

公務員や私立学校の教職員のみなさんも厚生年金に加入することになりますので、共済年金との間の「格差」が是正されることになります。具体的には
  • 加入年齢の上限(70歳)の統一(共済年金は加入期間の上限がなかった)
  • 職域加算の廃止
  • 遺族年金の転給制度の廃止(厚生年金より共済年金の方が遺族の範囲が広い)
  • 保険料率の統一
等となりますが、最も注目されるのが公務員独自の上乗せ年金制度「職域加算」の廃止でしょう。

この職域加算の廃止については、完全な廃止とはならず、何らかの代替制度が創設される模様です。従って、何らかの優遇制度は残ることになるようですが、どのような制度ができるのかは現段階でははっきりしていません。

厚生年金保険料アップは据え置き!?

最後に、社会保障の将来像を議論する「国民会議」の設置を柱とする「社会保障制度改革推進法案」も成立しました。この「国民会議」で民主党がマニフェストで掲げた「最低保障年金制度」等、将来の年金像の議論が行われる予定になっていますが、設置の目処は立っていません。

さて、こういった法案の成立とは別に、9月から厚生年金保険料が引き上げられます。これは、平成16年の年金法改正時に決まり、毎年0.354%ずつ平成29年9月~18.3%になるまで引き上げられます。

私の周りでも、消費税が増税されることが決まって、更に厚生年金保険料が引き上げられる事に対しやり場の無い怒りをもたれている方が少なくありません。国民の多くは、社会保障の改革はまだ不十分だと思っています。

「国民会議」での真摯な議論と実行を期待したいと思います。
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