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「社会保障と税の一体改革」で年金はどう変わる?

先日、社会保障と税の一体改革が成立しました。消費税の増税以外に年金制度についての法案も複数成立しています。そこで、一体改革によって年金制度がどのように変わるのか見てみたいと思います。

和田 雅彦

執筆者:和田 雅彦

年金ガイド

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受給資格期間短縮によって必要となる財源は消費増税で賄われる

野田総理大臣が政治生命を懸けて進めてきた消費税増税を柱とする「社会保障と税の一体改革」関連法が先日参議院で成立しました。

成立により、消費税が段階的に10%まで引き上げられることが決まりましたが、社会保障分野、年金制度についても複数の法案が成立しています。そこで、今後公的年金について、どのようになるのか見てみたいと思います。

平成27年10月から受給資格期間が10年に短縮! 

今回成立したのは、全部で8つの法案で、年金分野に関係するのは、以下の3つとなります。
  • 年金機能強化法案
  • 被用者年金一元化法案
  • 社会保障制度改革推進法案
このうち、我々にもっとも影響があるものが「年金機能強化法案」でしょう。この法案の成立により、現在、原則25年必要であった公的年金の受給資格期間が「10年」に短縮されることになります。

これにより、現在受給資格期間が足りず「無年金」となっている方にも、10年を超えている場合は年金を支給されることになります。これは朗報でしょうね。

尚、法律の施行は、消費税が10%に引き上げられる平成27年10月からとなります。

パートの社会保険適用の拡大と、産前産後休業期間中の保険料免除

労働時間が正社員に比べ短い労働者(いわゆるパート・アルバイトの方)の社会保険加入の条件が、現在30時間以上勤務であったものが「20時間以上」に引き下げられます。

これも、受給資格期間短縮と同じぐらいのインパクトがあるわけですが、プラスの影響がある受給資格期間短縮に対し、社会保険適用拡大は同じ額の負担が発生する会社に負担増という影響が生じるため、当面は「月額の賃金が88,000円以上、従業員501人以上」等の条件がつきます。

更に、出産、育児期間中の社会保険料免除について現在は、育児休業期間中のみ免除となっていましたが、産前産後休業期間(産前6週、産後8週)についても免除されることになりました。会社の負担も免除されます。

その他、父子家庭にも遺族基礎年金が支給されることになりました(現在は母子家庭のみ対象)。

尚、「パート・アルバイトの社会保険加入拡大」は、平成28年10月から、「産前産後休業期間中の保険料免除」は、平成24年8月22日から2年以内、「父子家庭の遺族年金支給」は平成26年4月から施行されます。

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