節税対策/節税対策関連情報

生命保険を活用した節税対策のポイント(2ページ目)

法人の節税対策の1つとして、生命保険の活用があります。生命保険はうまく活用すれば大きなメリットがありますが、加入に当たっては注意すべきポイントもあります。検討すべき項目や実務上の注意点などをご紹介します。

今村 仁

執筆者:今村 仁

中小企業・個人事業主の節税対策ガイド

実務上のポイントと注意点

具体的に、節税目的で生命保険に加入する場合、最も多く利用されているのは、長期平準定期保険や逓増定期保険です。これらの保険は、比較的高額の保険料を設定することができるためです。

以前は、保険料の全額を損金計上できるがん保険も人気でしたが、平成24年4月27日に通達改正が行われ、新しく加入するがん保険では、現在、全損の取扱いはできなくなっています。がん保険は保険料が比較的低額なため、大型の節税対策には、上記の長期平準定期保険や逓増定期保険が人気です。

優先順位としては、役員を被保険者とする保険に加入するのがまず第一です。その上でさらに加入するなら、従業員を対象とする福利厚生プランのハーフタックス養老保険などもあります。

加入するタイミングとしては決算期末というパターンが多いです。保険料を年払いする場合、決算期末ぎりぎりに加入した場合でも、1年分の保険料を損金計上することができます。既に加入している生命保険の場合には、現在、月払なのであれば、決算期末に年払いすることで最大2年分の保険料を損金計上することも可能です(損金算入割合は、各保険の取扱いによります)。

また、民間の生命保険だけでなく、公的制度を利用することもできます。おすすめは、中小企業倒産防止共済です。本来は、中小企業の連鎖倒産を防止するための共済ですが、見方を変えて、節税目的で利用することも可能です。最高で年240万円の保険料を全額損金で計上することができ、40ヶ月以上加入すれば、解約返戻率が100%になります。

中小企業の節税対策においては、倒産防止共済だけで十分対応が可能というケースも少なくありませんので、ぜひ検討してみて下さい。

最後に、税制についての注意です。生命保険を取り巻く税制は、節税商品に対応するため、頻繁に改正が行われます。現在、有効な節税対策が今後もずっと有効であるかどうかはわかりません。常に改正リスクがつきまといますので、加入に当たってはその点を十分に考慮して下さい。

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