スラングと口語表現は別物。スラングがある程度の年月を経て市民権を得たものが口語表現だといってもいいかもしれません。但し、これも日本語と同様ですが、フォーマルな場でくだけた表現ばかり使うことは避けた方がいいでしょう
日本語を習いたての外国人が不自然にていねいな日本語を話す様子がおかしく感じられることがあります。同じように、日本人が英語を話すときにも、堅苦しくない表現で会話をしたいと思うのは当然です。

そんなとき、スラング(slang)を使えば、学校で習う英語とは一味違い、いかにもネイティブっぽい感じがします。確かに英語に限らずどんな言語にも俗語があり、俗語を操ることができるようになることで、あたかもその言語を自分のものにできたかのような気がします。では、スラングは「勉強」したほうがいいのでしょうか?

スラングってあえて勉強した方がいい?

この問いに対する答は"yes and no"です。スラングを勉強したほうがいいかどうかは、スラングが必要かどうかという問題に他なりません。必要ならば勉強したほうがいいですし、必要でないならば勉強することもありません。

まず、ヒアリングの際に相手が使うスラングを理解するために、ある程度のスラングの知識は必要でしょう。しかし自分が使う側に立った場合、英会話を始めたばかりの方にとってはスラングの必要性はあまり高くないと思います。というのも、慣れないうちにスラングを連発するのは、失敗の元になるかもしれないからです。

スラングの危険性/流行遅れ・地域限定・世代限定

日本語でも、流行語があっという間に古くなるように、特に若い世代が使うような言葉は、旬を過ぎて使うと失笑されます。例えば、How come という表現は Why(あるいは Why not)と同じ意味を表します。ところが私がアメリカに滞在していたときには、2年間で1度しか How come という言葉を耳にしませんでした。しかもそれを使ったのは小学生。ところが別のところにいた人に話を聞くと、しょっちゅう使われているといいます。地域やコミュニティの違いで、流行る言葉も当然変わってくるのです。

同じような例で、It's my bad. という表現があります。これは It's my fault. (ぼくのミスだ)と同じ意味のスラングですが、カリフォルニアではよく使われているようですが、アメリカの別の地域にいた人からは、まったく使われていないという話を聞きました。その環境に慣れないうちは、(そのスラングを周りの人も使っているかわからないうちは)、使わないほうが無難です。

スラングの危険性/下品・侮蔑表現

アメリカ映画などを見ていると、f○ck、as○hol○、bi○○hなど(伏字ですみません)のスラングがよく登場しますが、だからといって、それを実際に連発するのはもってのほか。おそらく一生使わなくても問題なく生活できるでしょう。

こうした下ネタ系のスラング以外にも、人種に絡んだスラングなども要注意です。いずれにしても、スラングの意味を十分承知していて、しかもそれを使っていい相手、使っていい場面であることに確信を持てるときに限って使うべきです。この判断はある程度の経験が必要。英会話初心者の間はスラングの必要性が高くない、といったのはこのためです。

市民権を得たスラング

"Why the hell did she do this to me?(一体、彼女はオレに何をしたんだ)" hellの代わりにheckを使う人もいます
昔、学校で on earth という言い回しを習いませんでしたか? 強調フレーズで、たとえば "What on earth are you talking about?(一体何の話をしてるの)といった使い方をします。でも、実際これは普段の会話ではあまり登場しません。一種の「死語」と言えるかもしれません。 

on earth に代わってよく使われるのが in the hell です。はい。地上(on earth)が地獄(in the hell)に変わっただけです。響きとしては途端に下品なものになりますが、圧倒的に後者の方がよく使われます。実際には in を省略することが多いのですが、使い方は on earth と同じく、疑問詞の直後に挿入します。

積極的に使う必要はありませんが、映画などでも頻繁に耳にする表現であり、スラングとしてはもっともよく使われるものの1つなので、ぜひ憶えておいてください。

※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。