ベビーカーも車も、全身で拒否する息子
子どもが泣く理由が親にもわからないこともある
一切のベビーカーというもの、チャイルドシートというものを全身で拒否し、私はそれが ベビーカーやチャイルドシートの「品質」のせいなのかと思って、あらゆるタイプを買って試した。
しかしどんなに人間工学上適切にデザインされていようと も、どれだけエンテインメント性のあるおもちゃをぶら下げようとも、息子はいつものけ反って拒否し、泣き喚いていた。私は、外出が怖かった。
私は、その約10年前に第一子の娘を産んで10年の子育て経験があったにも関わらず、しかも子育て界隈で物など書いていたにも関わらず、泣く息子を連れての外出を恐れた。街中でベビーカーに乗せられて全身で泣き叫ぶ息子連れの自分が「どうしちゃったのあの子」「なんで泣き止ませないのあの母親」という注目を浴びるのが嫌だった。
息子が生まれるまで、人前で大声で泣いたり、床で転がって泣き叫ぶ子どもを見ると「しつけがなっていない」「親の意識が低い」のだと思っていた。今度は自分がそう思われる番だ。しつけがなっていないのか。私は意識が低いのか。おとなしい娘一人育てた10年の経験など、何の役にも立たなかった。
息子が生後1年になるまでは、後部座席に乗せて車を運転することも出来なかった。後ろで、チャイルドシートに縛り付けられるのを満身の力で嫌がって暴れるからだ。
だから、重たい息子であったが生後1年3ヶ月までは基本的にずっと抱っこ紐で移動し、 その後整体に通うことになる激しい腰痛と引き換えに心の平穏を得た。
「カワサキさん、夏も冬もずっと抱っこ紐で密着って、愛情の表れよねー」と優しい誤解をされていたが、なんかおかしいな、この子は本気で幼少期はずっと私と抱っこ紐なんじゃないか、と一抹の不安が過る。
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