食と健康/伝統食・粗食・素食

玄米成分が高脂肪食への欲求にブレーキ(3ページ目)

玄米に含まれる成分の働きにより、高脂肪食への欲求を抑えることで、メタボや肥満を予防するという報告がありました。玄米に含まれる栄養成分や働き、また食べる際の注意事項についてご紹介しましょう。

南 恵子

執筆者:南 恵子

NR・サプリメントアドバイザー / 食と健康ガイド


食物繊維が多い分、消化が悪い

玄米の魅力はよく語られますが、私は、物事にはメリットとデメリットがあるものと思います。例えば、玄米は糠をまとっていることによる栄養成分は豊富ですが、食物繊維が多く消化が悪いとも言えます。

また炊飯器で炊けばボソボソとした食感になります。近年では、以前と比べると炊飯器でも上手に簡単に炊けるようになりましたが、よりおいしく炊けるのは、圧力釜か土鍋だと思います。圧力釜はモッチリと炊けますし、土鍋は圧力釜と比べるとあっさりと炊け、どちらにも魅力があります。

炊飯器や土鍋では、白米のように気軽にすぐ炊いて食べることはできません。8~10時間以上浸水してから炊くのが一般的です。また水加減も1.5倍程度、白米よりは水分を多くして炊きます。(炊飯器、土鍋など調理器具に応じて調整してください。)

自分の「体の声」を聞いて、よく噛むこと

若い女性たちの間では、マクロビオティックなどが人気があります。中には自己流で玄米食をしている人が、玄米食を続けているとおなかをこわしがちだが便秘するよりはいいと思っているという話を見聞きしたことがあります。

せっかく栄養成分を豊富に含んでいても、おなかを壊していては十分に吸収されているとはいえません。玄米を食事に取り入れようと思われる方は、ぜひ十分に噛んでください。よく噛むことが、口腔内の健康や肥満防止など、全身の健康にもつながります。

例えば胃が弱っている時に、栄養成分が豊富だからといって玄米を食べても、消化がよくないこともあるでしょう。そんな時は白米にするなど、自分の「体の声」を聞いて使い分けましょう。情報をうのみにせずに、自分の体と相談して活用することが大切です。

圧力釜や土鍋などがない、炊き難いという人は、より食べやすい発芽玄米や、五分付き、七分付きなどを使う、白米と混ぜるなどの食べ方もよいでしょう。プチプチとした食感や糠由来の風味は、白米にはないおいしさがあります。

また肥満の原因には、食事だけでなく、夜型生活、運動不足などもありますから、今回玄米が肥満防止に役立つと報告されたとはいえ、ただ玄米さえ食べていれば、生活習慣が乱れていてもよいというわけではありません。バランスのとれた食事や、生活習慣を見直すこともお忘れなく。

参考/
・琉球大学
・『日本農業新聞』7月11日付け
・γオリザノール(オリザ油化株式会社)

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