室内照明のフリッカー問題に一つの回答。
アクティブシャッターメガネを工夫
もう一つの大きな特長は、ソニーが「フリッカーレスメガネ」と命名したアクティブシャッターメガネ。3Dテレビの課題である室内照明のフリッカー(ちらつき)に取り組み早くも成果を挙げています。具体的には、フリッカーを拾う原因である前面の偏光板を取り去っています。液晶テレビでは前面の偏光フィルターによって特定方向の偏光成分の光だけが出る構造となっており、今回の3Dブラビアは縦偏光の光だけを発するため、3Dメガネ側には偏光板がなくても映像が見られます。しかし、フリッカーを抑えた反面、垂直方向の視野にやや制限が生まれ、寝転んで下から見上げると色合いが変わって見えたりするのはトレードオフというところです。
ソニー独自の機能「2D→3D変換」の実力
私が大いにそそられたのが、「2D→3D変換機能」を搭載していることです。バンクーバー五輪の女子フィギュア等のテレビ放送、ブルーレイディスク映画を変換して視聴しました。さすがに3Dを前提に作られた映像で効果が大きく、マイケル・ジャクソンの『THIS IS IT』の「スリラー3D」シーンは、モンスターたちが迫り出してきてまるでTDLの「ホーンテッド・マンション」にいるかのようでした。ブラビア主要11ライン中、6ラインが
LEDバックライトへ代替
3Dと並ぶ新ブラビアのもう一つの大きな特徴がLEDバックライトです。5シリーズ中4シリーズに搭載したことはお話しましたが、シリーズ毎に三種類のLEDバックライトが搭載されます。すべて擬似白色タイプで最もハイスペック直下型部分駆動(インテリジェントダイナミックLEDバックライト)がHX900に、エッジ型部分駆動がHX800に、面駆動のエッジ型がLX900とNX800に搭載されます。HX700のみCCFL(冷陰極管)を使用します。ブラビア全体を見た場合、スタンダードラインのEX700、ワイヤレス超薄型のZXがすでにLEDを搭載していますので、主要11ライン中、6ラインがLEDバックライトへの代替を済ませたわけです。
しかし、知っておいていただきたいのは、LED=高画質ではないということです。LEDの利点は第一に省エネ、第二に超薄型をはじめ、小型を活かしたデザインやパッケージングの柔軟性、第3にエリア駆動(ローカルディミング)によるハイコントラスト化で、光源の色域の広さはCCFLが擬似白色LEDに勝っています。新ブラビアではHX700のみCCFLを搭載しますが、ソニーは相当に自信をもっていましたので、こちらもご覧になるといいでしょう。