高画質テレビに3Dは当たり前?
全8機種搭載の衝撃
今年もやってくれました! ソニー・ブラビアが怒涛の新5シリーズ12機種を発表しました。これらはラインアップ中の中・上級機種で、同時発表のソニー初のHDD内蔵テレビBX30Hシリーズを加えると、実に15機種が新たにデビューしました。ソニー地上・BS・110度CSデジタルハイビジョンテレビKDL-L60LX900
これら新ブラビアは単に新製品に交替したのではなく、テレビの今後を指し示す画期的な特長を備えています。さっそく全体を貫く新機軸とシリーズ毎の特長を見ていきましょう。
3D映像のイメージ図
新ブラビア最大の特徴は、3Dへの対応とLEDバックライトの大幅な導入です。新5シリーズ中3シリーズ(LX900、HX900、HX800~全8機種)が3Dに対応、4シリーズ(LX900、HX900、HX800、NX800~全10機種)がLEDバックライトを搭載します。
新シリーズ中ではHX700のみCCFL(冷陰極管)を採用します。一昨年初搭載された240Hz駆動(矢沢さんの4倍速です)を全5シリーズ全てが搭載。デザインも鋭利なミニマル調の「モノリシックデザイン」を新たに纏いました。しかし、皆さんの関心はやはり3Dでしょう。
LX900の4サイズ(60V、52V、46V、40V)は3Dのシンクロトランスミッター(メガネへ同期信号を送信する)と3Dメガネ2個を同梱、HX900(52V、46V)、HX800(46V、40V)はこれらが別売りの「3Dレディ」になります。
ソニーのアクティブシャッターメガネ(フリッカーレスメガネ)は右のスモールサイズTDG-BR50を別売り(O.P.)で用意
HX900、800、NX800は「3Dレディ」。別売りのトランスミッターTMR-BR100(o.p.)が用意される
ソニーならではの3D映像実現の工夫
パナソニック・ビエラと同様のフィールドシーケンシャル方式で、簡単に説明すると、左目用と右目用の映像を各60コマずつ交互に表示(ブラビアは、4倍速240Hzなのでそれぞれ2度続けて表示)、リチウム電池を内蔵したアクティブシャッターメガネがテレビからの赤外線信号を受光して同期を確立すると、左と右の映像を毎秒120回交互に左右それぞれの「目」に入力し、立体映像が現れます。液晶方式の場合ホールド表示(素子の開閉状態で画を描く)で、ラインをなぞるように順次画を描き変えていきますので、左右の映像の重なりによる二重像が発生しやすい欠点があります。
ソニーはブラビアの看板技術である240Hzを利用し同じコマを2度描きすることでこのクロストークを抑え込みました。具体的には、右眼用と左眼用の映像が切り替わる(混在する)第一のコマではバックライトを消灯し、その次の片目用の映像のみに変わった第二のコマで点灯、3Dメガネのシャッターを開けるという手法で二重像(クロストーク)を抑え込んだわけです。
240Hz駆動を応用した3D再生。左右二コマを連続再生、1コマ目は切り替りのため、左右が混在するのでLEDを消灯、2コマ目で点灯し、アクティブシャッターメガネに映像を入力する(画像クリックで拡大表示)