スポーツワゴンの資質あり
エンジンはゴルフGTIと同じ2.0Lの直列4気筒DOHCターボで、1.4Lを積むベースのパサートとはパンチ力がまったく違う。重量が違うため、ゴルフGTIのようなスポーツカーそのものという強烈な加速感とはいかないが、レスポンスに優れる6速DSGとの組み合わせにより、高速道路の合流だろうが急な上り坂であろうがまったく息切れすることなく、走らせることができる。
乗り心地もクルマの成り立ちを考えると良好。ベース車よりも容量の大きなサスペンションを搭載しているというが、それほどゆったりしているわけでなく、フォルクスワーゲンらしく適度に引き締まっているのが印象的だ。
4WDやオフロードスイッチのほかにも走行支援となる機能が満載で、「XDS」と呼ぶエレクトロニック ディファレンシャルロックの拡張機能として用意されるシステムにより、主に中・高速域でのアンダーステアを抑制することが可能だという。
さらに、前走車に追従し、完全停止までが可能なアダプティブクルーズコントロールの「ACC」やステアリング操作を監視してドライバーの疲労を検知する「Fatique Detection System」などの最新の安全装備も満載している。
価格設定も魅力
用意されるグレードは「2.0 TSI」のみだが、「超」が付くほどの充実装備を考えるとバーゲンプライスで、あるいは円高の恩恵なのか494万円というコストパフォーマンスの高い価格設定だ。ワゴンでは物足りない、でも背の高いSUVまでは要らないという人に、確かにニッチな市場ではあるがかなり強く訴求するモデルに仕上がっていると思う。