有効なのはジョギングよりもウォーキング
自律神経を良い状態に保つには、ウォーキングなどのゆっくりとした運動を、深い呼吸を意識しながらやるのが効果的。
健康維持のための運動としてジョギングが人気ですが、ジョギングは運動量が多いため、交感神経が優位になり、その結果、副交感神経の働きを低くしてしまいます。その点、ウォーキングのようなゆったりした運動の方が、交感神経を刺激することが少なくて済みます。その際、横隔膜を使い、深く呼吸するとより効果的です。
ヨガの深い呼吸が自律神経に効く
ヨガでは、深い腹式呼吸を意識して行います。呼吸で肺、横隔膜を動かすと、全身の血流を良くし、自律神経の活動を整えることができるのです。また、ヨガやストレッチは、寝る前にやるのがおすすめです。いつやるのがいいのか?
運動は朝に、という人も多いと思いますが、朝は血圧が高く、筋肉も硬くなっていて、ケガや疲労を招きやすいため、実はあまり運動には適していません。30分から1時間くらいを目安に、夕食後から寝床につく1時間くらい前までに行うのが理想的です。そもそも、副交感神経は睡眠中のリラックス時にアップするもの。寝る前に軽度の運動を行うことで、代謝が上がり、心身の緊張がほぐれて眠りが深くなったり、眠りにつきやすくなったりする効果も期待できます。自律神経バランスを整える「セル・エクササイズ」とは?
セル・エクササイズとは、「なんとなくいい」という経験則ではなく、副交感神経の活動の上昇や血流が良くなるといった医学的根拠をもとに開発した10分間のエクササイズです。実際に、トップアスリートやアーティスト、芸能人、モデルなどが取り入れています。セル・エクササイズは、3つのパートから構成されています。
ひとつは、コンディショニングパート。いきなり激しい運動をすると、交感神経が高まってしまい、自律神経バランスが崩れてしまいます。コンディショニングパートでは、副交感神経を高めるタッピング(指先の腹のところを使って、軽く弾ませるように、頭全体と眉間、目の周りなどを優しくタッチすること)などを取り入れています。
次は、トレーニングパートで、体のひとつひとつの機能を高めることを目的にしたエクササイズです。呼吸と動きを連動させ、また脳から神経、手足と命令系統を強化することで自律神経バランスを向上させます。
最後はヒーリングパートです。ゆったりと呼吸したり、筋肉を緩和させることで副交感神経を活発にします。エクササイズのクールダウンのほかにも、寝る前や疲労を感じたときに実践すると効果的です。
<参考>
セル・エクササイズが本になりました。
自律神経測定サービス Lifescore