社員の定着率が高い管理会社
管理会社の社員の定着率も重要なポイントです。専任媒介で入居者募集を依頼する場合もそうですが、管理会社選びの際は、社員がころころ入れ替わる会社は避けたほうが賢明です。というのも、入ってきたばかりの社員は担当物件について何も知らず、周辺の地理にも疎いからです。そのため入居希望者や、あるいは駅前の不動産屋さんなどから問い合わせがあったときにも、きちんとした物件のPRができないのです。部屋探しをしている人にとって部屋の近くにコンビニエンスストアがあるのか、コインランドリーはどうか、大きなスーパーはどこにあるのか、郵便局はどこかといった情報はとても重要です。長くその物件を担当していた社員であれば、そうした情報を自然と把握しているものですが、新人には何もわかりません。聞かれても「そこまではちょっと」としか答えられないようでは、部屋探しの候補から外されてしまうことになります。
見学者を物件に案内するときも、周辺の地理にくわしい社員であれば、「ちょっと遠回りになるけど桜並木のすてきな通りを通っていこう」といった配慮ができますが、地理がわからなかったり考えのない社員はただ「最短距離だから」と、夜なのに街灯もない暗くて細い道を通っていったりします。そうしたことでも物件への印象は大きく変わってしまうのです。
心配りのある管理会社
ちょっとした心配りが大切
部屋の中に季節を感じさせるちょっとしたオブジェなどを置いてみるのも、お金をかけずに良い印象を与える方法の一つですし、部屋にオーナーさんからの手紙が置かれていたりするのも、内見に来た人に「あそこには手紙があったなあ」と思い出してもらえることにつながります。
数多くの事例を見てきましたが、ポップ広告の内容に手間と時間をかけ、力を入れている物件は、形だけのポップしかつくっていない物件より入居が決まるのが早い傾向があります。入居希望者にもやはり熱意や気持ちは伝わるものなのです。そうしたことを心得ている管理会社は、オーナーさんにも協力を頼んで、空室が早く埋まるようさまざまに部屋を演出し、工夫を凝らすのです。
オーナーさんと同様に、不動産管理会社も「自分たちはサービス業」という意識が徹底していなくてはなりません。管理会社によって入居率や家賃に大きな差がつく時代です。管理会社をしっかりと見極めて、少しでも力のある会社に物件の管理を依頼されることをおすすめします。