フレンチ/東京のビストロ

ブラッスリー ポール・ボキューズ銀座(2ページ目)

フランス料理の代名詞とも言えるポール・ボキューズ。日本ではひらまつがレストラン業態の全国展開を行い、伝統と革新が共存するシンプルなフランス料理を提供する。アクセスの良さはピカイチの銀座は、ワインも含め、手頃な値段で楽しめることでぜひ押さえておきたい一軒だ。

嶋 啓祐

執筆者:嶋 啓祐

フレンチガイド

銀座マロニエゲートの10階

そもそもブラッスリーとは何? ビストロとどう違うの? と思われる方も多いかもしれない。今や時代も多様化したので厳格な規定など特にないと言っていいのだとは思うが、ファーストフード、カフェを除くフランス料理の中で「比較的大箱で、特に予約しなくてもいい、もっとも気軽なスタイルのフレンチ」と思っていいだろう。
ワイン

組織力を活かしてワインを一括で仕入れて価格を抑えていると聞く

フランスだと駅前の角には必ずと言っていいほどブラッスリーがあって、早朝から深夜までカフェ、ビール(そもそもの語源はビールが飲めるというところから来ている)、モーニングからランチ、ディナーと予約なしでふらりと立ち寄れる飲食店をいう。カウンターがあるのも特徴だ。ちなみに三ツ星クラスで食事をする層はまずブラッスリーにはいかない。

しかし、日本とは文化的背景も違うのでそのスタイルで営業しても無理がある。なので、日本でブラッスリーとは気が向いたときに予約無しで食事ができるお気楽なフランス料理屋と言っておこう。ちなみにひらまつグループのブラッスリー業態はいわゆる「大箱」なので平日の多くの場合、予約なし(パサージュと呼ぶ)で食事を楽しむことができる。
ポールボキューズ

ボキューズ氏は毎晩必ずこう聞いていたという。「お客様は楽しんでいるか?」と

銀座はマロニエゲートの10階。エントランスカウンター横には平松氏とボキューズ氏のサイン入り写真。ボキューズ氏はそのサインにきっとフランス料理に対する熱い思いをこめたに違いない。フランス料理の神様の気持ちがこもったサインであるから、ここでフランス料理を裏切るようなことは起きてはならないと個人的に思ったりする。それだけPBブランドは重いと考えたい。

キッチンはオープンになっており、ゲストは左手にキッチンを見ながらダイニングへと導かれる。窓側に並ぶ100席以上のダイニングに加え、個室もある。クロスもカトラリーもきちんとセッティングされ、まるでファインダイニングのようだ。しかし、値段はいたって手頃。ランチは3500円から、ディナーも5000円から。そしてワインがお値打ちだ。グラス500円から揃うのはまさにブラッスリープライス。
ポールボキューズ

オリーブオイルとリエットの相性もよく、パンがここちよいおつまみになる

時折、団体や定期的に開催しているワイン会などで混んでいるときもあるが、ブラッスリーだけあって、思い立って銀座で気軽なフレンチ!となればマロニエゲートの10階まで上がってくるといいだろう。

アミューズで用意されるリエットは食べ過ぎに注意が必要だ。パンがぐいぐいと進み、ワインと共に食欲のスイッチがオンになる。ズワイガニとコンソメジュレには季節のホワイトアスパラが添えられる。
ポールボキューズ

季節のホワイトアスパラが嬉しい一皿だ

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