設備は、一戸建てより
マンションのほうが進化している
一戸建てのうち、注文住宅の設備はそれこそ予算が潤沢にあれば、最先端のものを設置することができますが、建て売り一戸建てと分譲マンションで比較してみると、分譲マンションのほうが設備の新しさ、グレードともワンランク上になります。理由は、マンションはいちどきに30戸以上、多ければ200戸以上の住戸をつくるため、設備機器もまとめて大量発注することができ、比較的安価に設置することができるからです。また間取りなどの自由度が低いマンションで、商品としての競争優位性を発揮するには、住戸内の設備の新しさやグレードが重要ポイントのひとつとなっています。そのことは販売時に配布される設備専用の豪華パンフレットを見ればよく分かります。新築マンション、とりわけ都心物件は、最先端の水回り機器をセールスポイントにする、力のいれようです。
一方、建て売り一戸建ては、販売に時間がかかるため、1,000棟の計画地があったとしても、せいぜい10棟程度ずつ建築し販売します。したがって、大量の設備機器を安くまとめて仕入れることはできません。また、競争優位性を発揮するポイントとして、構造・工法、外観デザイン、敷地計画などのほうが優先されるという一戸建てならではの特性もあります。こうしたことが背景となり、設備はマンションのほうが、進んでいるというわけです。
ちょっとした寒さや不便さもあるけれど、自然を感じながら、家にいる時間が長く、伸び伸びと暮らしたいなら一戸建て。人工的に室内環境をコントロールしながら、仕事や勉強で移動・外出する機会が多くて家にいる時間が短いので、便利で効率的な暮らしをしたい、というならマンション。というのが好みは別として、一応は合理的な選択といえるでしょう。
それでは、次回は、一戸建てVSマンションで買いやすさ、売りやすさ、貸しやすさの違いについてご説明します。ご期待ください。
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