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現在、2391者のマンション管理業者が存在している。

読者の皆さんは、わが国にマンション管理業者が何者あるかご存じでしょうか?―― 国土交通省の調査によると、2011年度末現在、2391者の管理業者が存在しており、日夜、全国に約8万2000ある管理組合(高層住宅管理業協会調べ)をサポートしています。

しかし、ひと口に管理業者といってもその規模は様々で、2011年の受託管理戸数ランキングを見てみると、第1位の日本ハウズイングが36万4364戸、第2位の大京アステージが35万2690戸、そして第3位の東急コミュニティーが29万2626戸と、上位クラスは30万戸台というレベルに達しています(下表参照)。一方、零細の管理業者になると2000~3000戸台というレベルも珍しくなく、かなりの開きが生じています。

そのため、マンション管理業者の全体像を把握するのは容易でなく、管理組合とどのような契約を締結し、どのような管理サービスを提供しているのか等々、その実態は掌握できていませんでした。管理業務の適正に関しては、マンション管理業者の自主判断に委ねるしかありませんでした。

マンション管理業者の受託管理戸数ランキング

 

そのせいか、管理組合とのトラブルは後を絶たず、特に(1)修繕積立金の預金口座をめぐるトラブル、(2)契約内容の説明不足に伴うトラブル、(3)契約書の書面交付に関するトラブル ―― は深刻でした。トラブルが発生するたびに、管理組合は泣き寝入りを強いられたのでした。

適正化法の施行により、マンション管理業を営もうとする者は「業者登録」が必要となる 

そこで、こうした悪徳イメージを刷新し、マンション管理業者がコンプライアンス体制を構築できるよう、2001年、マンション管理適正化法の施行によってマンション管理業者の登録制度が創設(法制化)されました。これにより、マンション管理業を営もうとする者は業者登録が必須(義務化)となりました。

しかし、適正化法の目的である「マンションにおける良好な居住環境の確保」の実現はそう簡単ではなく、適正化法によって管理業者が守るべき施行規則が制定されたことで、かえって施行規則に十分対応できない管理業者が散在するようになりました。管理業者の「適応能力のなさ」が露見した格好です。

法制化した国(国交省)としては、当然、こうした事態を見過ごすわけにはいきません。そこで、各登録業者(マンション管理業者)が適正に管理業を営んでいるかどうかを把握すべく、2005年から「マンション管理業者への全国一斉立ち入り検査」を行なようになりました。

振り返れば、この調査も開始してから7回の実施を数えるまでになり、一定の認知度は高まりつつあります。ただ、残念ながら調査結果は芳しくなく、いまだ立ち入り検査した管理業者の4割~5割に何らかの是正指導がなされています。悪質業者の全面排除には、まだまだ時間が必要なようです。はたして、どのような是正指導が多いのか?――

次ページで、その傾向と対策をご紹介します。