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わざとらしい褒め方はNG! さりげなく効くソフトな褒め方とは

褒めるのは大切だとわかっていても、テレがあって口にできない。そんな「褒められない人」がいる一方で、褒め方がわざとらしい、お世辞に聞こえるといった「褒め過ぎ」な人もいます。どちらのタイプも使えるソフトな褒め方のテクニックをご紹介。

藤田 尚弓

執筆者:藤田 尚弓

話し方・伝え方ガイド

<目次>

褒められない人の3つの原因と処方箋

わざとらしい褒め方はNG! さりげなく効くソフトな褒め方とは

褒められない人は原因の解消から

褒めることのメリットや重要性はわかっているのに、なかなか褒められない。もしかして、あなたもそんな褒めベタさんでは?まずは褒めベタの原因とその対策についてみてみましょう。

原因1 褒めるポイントを見つけられない

「どこを褒めたらいいかわからない・・」という人はこのタイプ。忙しくて周りを見る余裕がない人や、他人のいいところを見つけようとしない人、他人に興味がない人などいます。
褒められない体質を改善する第一歩として、一日一度人のいいところを探す時間を設けることがオススメ!朝イチでも昼休みの後でもいいので、周りの人を観察していいところを見つける練習をしてみてください。気配りが少し足りないだけで、実は優秀人が多いのがこのタイプの特徴なので、時間をとってやってみると、意外と簡単だったということが多いのです。

原因2 褒めることに照れや抵抗がある

「わざわざ口にするのが恥ずかしい」「お世辞を言っているようでイヤだ」と思う人はこのタイプ。褒めは相手を承認し、成長を促すといった大事な役割を持っています。「恥ずかしいから」「計算高いように思われたくないから」といった子供っぽい理由で褒めないのは非常にもったいないこと。もしあなたが管理職なら一刻も早く意識を改革するべきです。
対策として、承認されることのメリットと承認されないことのデメリットをリスト化してみるという方法があります。自分が他人から承認されたらどんな気持ちになるか。承認されなかった場合に、どんな気持ちになり、どういった行動をするか。周りから孤立するまえに、一度しっかり考えてみてください。実直で誠実な人に多いタイプだけに、殻を破ると一気に評価が上がるはずです。

原因3 褒め方がわからない

褒めたいポイントは見つけたけれど、具体的になんと言っていいかわからないという人はこのタイプ。相手のいいところを見つけることができ、褒めようとする意欲もあるので、方法さえわかれば褒めの達人になる可能性大!この後にご紹介する、3つの褒めテクをぜひ実践して。
 

わざとらしい褒め方のNG例

わざとらしい褒め方や褒め過ぎはNG

わざとらしい褒め方や褒め過ぎはNG

具体的な褒めテクをご紹介する前に、ほめ過ぎてしまう人達のわざとらしい褒め方についても見ておきましょう。自称褒め上手の人は、要注意。あてはまっていないかチェックしてみてください。

NG例1 心がこもっていない口先怪獣

「○○ちゃん、今日もカワイイね~」「お、○○!頭がいいね~」
人のいいところを見つけるのはうまいのですが、あまりに安易に褒めすぎるので「口先だけ」と思われたり、お世辞ととられることもあります。社交的で明るい性格の人に多く、悪気がない場合がほとんどなので、改善の余地があるタイプといえます。本当に相手を褒めるべきシーンで、せっかくの褒めが「またか」と思われるのはもったいないこと。褒めた時に相手が照れたり、謙遜しない場合には、このタイプの可能性大ですので注意しましょう。褒めの回数を減らす、心を込めて落ち着いた声で褒めるといった対策で改善できます。

NG例2 揉み手が見えるハンター系

「さすが○○部長ですね」「いやー、勉強になります」
上司や取引先にオーバーな褒めをしてしまうと「便宜を図ってほしいのでは?」と周りの人に勘繰られてしまうこともあります。そういった相手にこそ、褒めはさりげなくするのが鉄則!本人には直接言わず、間接的に褒めるというテニックもお勧めです。褒め過ぎは、褒められた人やその場に居合わせた人に「わざとらしい」と受け取られてしまいます。過ぎたるは及ばざるがごとし。本当に素晴らしいと思っていることでも、褒め過ぎには気をつけましょう。

NG例3 話題にされたくないところを褒めてしまうKYさん
 
悪気なく、本人が話題にしたくないところを褒めてしまう人もいます。せっかく気を遣って褒めても周囲の人はわざとらしく感じますし、褒められた人が不愉快になることもあります。褒めるときは、相手が承認してほしいと思っているところを褒めるようにしたいもの。では、相手が不快に思わない褒めポイントはどのように見つければいいのでしょうか。次のページでご紹介します。
 

ソフトだけど効く! 自然な褒めテクニック

見たままを口にするなら自然にできる

見たままを口にするなら自然にできる

相手の褒めてほしいポイントにさりげなく触れることのできる、ソフトな褒めテクニックは下記のとおりです。

1、 「褒めずに」見たままを言葉にする

例)「今日は青い靴ですね」「エレベータを降りるときドアを押さえてましたね」など

褒めの導入部分ですので、見たままを口にするだけにとどめるのがポイントです。「オシャレ」「気遣いが素晴らしい」といった感想を入れて、直接的な褒めをしないようにしましょう。気づいたことをそのまま口にするだけですが、言われた相手は大抵コメントを返してしまいます。

例)「今日は青い靴ですね」
「今日の服には、青が合うかと思って」

「エレベーターを降りるときにドアを押さえてましたね」
「前に子供がエレベーターに挟まれたかことがあって、気をつけているんです」

相手がコメントを返してくれたら、そこが相手がこだわりポイントや気を遣っているポイントの可能性大!嫌味にならない褒めポイントですので、次の要領でさりげない褒めをしてください。

2、 相手のコメントを使ってさりげなく褒める

例)「今日は青い靴ですね」
「今日の服には、青が合うかと思って」
「服に、よく合っていますよ」

コメントを返してくれた部分を繰り返すことで、相手が気を配っている部分をさりげなく褒めることができます。これでいいの?と感じる人もいるかも知れませんが、あっさりした褒めにはわざとらしさがないので、相手に受け入れられやすいというメリットがあります。

3、 質問する

さりげない褒めができたら、すかさず質問をして会話を前に進めましょう。

例)口にする「今日は青い靴ですね」
コメントをもらう「今日の服には、青が合うかと思って」
コメントを繰り返す「服に、よく合っていますよ」
質問する「○○さんは、いつもオシャレな靴を履いているけど何足くらい持っているんですか」 「いつも自分で選ぶんですか?」等

褒めるほうにも、褒められたほうにも一種の気恥ずかしさが生じます。相手にあまり謙遜をさせないためにも、質問をして会話を前に進めましょう。質問をすることで、褒めたことに心から興味があるということも伝わりますよ。
 

「褒めない」「褒め過ぎ」を解消すると人間関係がうまくいく

褒める人も、褒められる人もハッピーに

褒める人も、褒められる人もハッピーに

褒められない人が、人を承認する声掛けができるようになる。わざとらしい褒め方をしている人が、心のこもった褒め方ができるようになる。褒め方が変わると、人からの印象が変わり、人間関係がよくなっていきます。

恥ずかしさがある人も、ついやりすぎてしまう人も、ソフトな褒め方を試してみてください。あからまさに褒めているわけではないので、失敗しても誰も気づくことはありません。早速、目についたものを口に出すところから始めてみましょう!
 
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