GT-Rやランエボも採用したデュアルクラッチ方式のDSG
気づけばこんなに値落ちしていて「おいしい!」という中古車をご紹介しているこの企画。今回はVWゴルフ(旧型)を取り上げたいと思います。通常より25mmローダウンされた専用チューンの足回りをもつゴルフのスポーツモデルGTI。6速DSGを採用。ちなみに10・15モード燃費で見ると、ターボ付きながら、同じ2Lターボ無しの6AT車(GT)の12.4km/Lを上回る、12.6km/Lです
現行型が登場して既に3年。この旧型の中古車が100万円を切ったのは随分前のことですが、2ペダルMTのDSG搭載車が100万円以下になったのはつい最近です。旧型ゴルフ(5代目)を買うならDSG搭載車がオススメの私としては、この時を待っていました。
DSGとはマニュアルギアボックスをベースにクラッチ操作やギアシフトを自動制御化したもの。それまでにも他社から2ペダルMTは出ていましたが、それらはほとんどシングルクラッチでした。いっぽうのDSGは、ギアの奇数段と偶数段それぞれにクラッチを配したデュアルクラッチ方式を採用しています。
デュアルクラッチ方式は、例えば日産GT-R(現行)や三菱ランサーエボリューションX(現行)、ポルシェ911(現行)、BMW M3(現行)など、たくさんのスポーツカーに採用されています。マニュアル車のようなダイレクト感がありあながらAT車のようにイージーで、シングルクラッチ式より素早く変速でき、シフトショックも少なく、燃費面でも有利で……などたくさんのメリットがあります。
DSG搭載車で唯一7速を搭載するTSIトレンドライン(次ページ本文も参照)。当時のゴルフ史上最高の低燃費(10・15モード燃費で15.4km/L)を誇ります。最廉価版ながら8エアバッグ、横滑り防止装置のESPなどを装備しています
「昔はMTによく乗ったけど、最近は面倒でね」なんていう人にもう一度「車を運転するのが楽しくて仕方がない!」と思ってもらえるような、MTとATのいいとこ取りのミッションです。先述のように、搭載している車の多くは高価なスポーツカーが多いため、デュアルクラッチ式を搭載している車としても、2ケタ万円で手に入るのは、この5代目ゴルフが初めて、となるわけです。
例えば原稿執筆時点で、98.9万円のGTX(2006年式/4.3万km/修復歴なし)が見つかります。GTXは、スポーツバージョンのGTIと同じパワーユニットながら、ウォールナットウッドや本革シートなど豪華装備が奢られたグレード。新車時は367.5万円でした。
もちろんDSGだけが旧型ゴルフの魅力ではありません。次ページ以降でもう少し見ていきましょう。