子どもの睡眠についての理解を深める
子どもの睡眠は、大人の睡眠とちょっと違います
第1章 眠りの大切さ
第2章 寝不足の問題
第3章 子ども達の睡眠実態
第4章 生活習慣と成績
第5章 子ども達の睡眠習慣改善のために 1
第6章 子ども達の睡眠習慣改善のために 2
インターネットに接続できる環境にあれば、誰でも視聴できます。ここでは、子どもの睡眠と成績の関係や、睡眠を改善するための方法について取り上げます。
成績が良い子どもは早く寝ている
子どもの睡眠と学業成績には、深い関係があります
そのため、大人と同じく子どもの睡眠時間も年々短くなっています。文部科学省の「データから見る日本の教育」によると、小学生の睡眠時間は1970年に9時間23分でしたが、2000年には8時間43分となり、ここ30年間で40分も短くなりました。
睡眠習慣と子どもの学力の関係を調べると、成績が上位の子どもほど、早い時刻に寝ていることが分かります。小学3~6年生の主要4科目のテストで、平均95点以上をとる成績上位者の41%は午後9時より前に寝ついていて、12時以降に就寝する子どもはいません。逆に70点未満の成績下位者では、9時前に眠る子どもはおらず、20%が12時以降に寝ついていました。
算数では、睡眠時間と成績の関係も明らかです。成績上位者では9時間以上眠っている子どもが多いのに対して、成績下位者の多くは7時間未満の睡眠しかとっていないことが分かっています。また、国語や算数の応用問題が得意な子どもは、夜更かししないことも事実です。
早く寝ついてグッスリ眠ると、朝は自分でスッキリ目覚めます。胃腸の調子も良いので朝食をしっかり摂って、排便してから登校します。日中も体調がよく、勉強に集中ができて思考力もアップします。体も頭も活動的に過ごすので、夜になると早めに眠くなります。
逆に睡眠不足だと、朝は自分で起きることができず、自主性が育ちません。朝食を食べられないので、日中の集中力や思考力が鈍り、学業成績が上がりません。体温も十分上がらず活動量が少ないため、糖質代謝のパターンが変わってエネルギーをためやすい体になり、太ってしまいます。家の中での遊びを好むようになり、テレビやゲーム、インターネットを夜までしていると、光の影響で眠気が減り、夜更かしする悪循環に落ち込みます。
家族ぐるみで睡眠の習慣を変える
読み聞かせなど、眠る前にすることを決めておくと、寝つきが良くなります
- 幼児期 1~3歳 12~14時間
- 学童前期 3~5歳 11~13時間
- 学童期 6~12歳 10~11時間
- 中高生 11~17歳 8.5~9.25時間
「睡眠習慣と学力及び健康」の講座サイトから、「チャレンジ25」のシートがダウンロードできます。これは、睡眠に関する生活習慣のチェックリストです。この25項目のうち、親が協力できる主なものを挙げてみます。
- 夕ご飯は7時までに食べさせる
- 親の小言は8時までにする
- 寝る30分前には部屋を少し暗くする
- 寝る前に「おやすみなさい」を言う
- 朝、目覚めたらカーテンを開ける
- 朝、起きてきたら「おはよう」を言う
- 朝食をつくる
- 登校前に排便を促す
【関連サイト】
睡眠習慣と学力及び健康
チャレンジ25 記入シート
子どもの睡眠力チェックリスト
日本の子どもは夜更かし傾向? 子どもが眠る11の魔法