焼酎/泡盛

日本の蒸留酒ルーツ「琉球泡盛」4社のお蔵リポート(3ページ目)

シャンパーニュやコニャック、ウイスキーなどと同様に、WTO(世界貿易機関)のTRIPS協定(知的財産所有権の保護協定)にて「地理的表示付き」産地指定酒の認定を受けている琉球泡盛。日本が世界に誇るべき国酒の代表であり、日本の蒸留酒の原点でもあるのだ。日本の焼酎を知るなら、まずは、沖縄へ飛ぶべし、なのである。

友田 晶子

執筆者:友田 晶子

日本酒・焼酎ガイド

樽熟成の「暖流」(神村酒造)

エントランス

沖縄本島中部、風光明媚なうるま市にある神村酒造

蒸留酒の魅力は熟成にある。樽を使った熟成酒の心地いい甘いフレーヴァーは大きな魅力のひとつだ。1882年(明治15年)創業、1958年(昭和33年)よりいち早く樽熟成の研究を開始した神村酒造。アルコール度数37%の7年樽熟成「暖流」を発売したのは1968年(昭和43年)のことだ。

うるま市にある本社は、那覇から美ら海水族館に観光に行く途中に位置する、観光見学にも便利な場所に位置している。見学は要予約で、わかりやすい説明が聞けるし、熟成酒の試飲も可能だ。また、タイミングがよければ蒸留したての新酒の試飲ができるかもしれない。

 

オーク樽

たくさんのオーク樽が並ぶ工場内。こうばしい香りも魅力だ

たくさんの樽が並ぶ蔵の中を拝見した。シェリーやバーボンなどさまざまな種類の樽が整然と並ぶ。泡盛が静かに時を刻んでいる姿はどこか感動を与えてくれる景色だ。

また、地下の熟成蔵では、購入した泡盛ボトルをそのまま預かり、完璧な環境で熟成させ、5年満期になったら送ってくれる「地下蔵預かり古酒」システムがある。旅の思い出に、記念日のために、自分だけのオリジナル熟成泡盛を造れるといううれしいシステム。ネットでも依頼ができる。

ハイボールならぬ段ボール!?

預かり古酒

地下には静かに眠る古酒がずらり。ストレスフリーの古酒が出来上がる

ウイスキーやコニャックのようなフレーヴァーを持つ「暖流」は、水割りやオンザロックもおいしいけれど、今からの季節ならソーダ割りがおすすめだ。カクテル名は、ハイボールならぬ“暖ボール”だとか。

ちなみに、「守礼」はステンレス熟成なので、新酒のうちはすっきりと軽快な味わい。熟成とともにミネラル感やコク、昆布のような塩味や旨みさえも感じられるようになる。

さらに、“芳醇酵母”による「守礼 原酒」は、マツタケのような香りが通常の5倍、バニラの香りが通常の8倍も香る、芳香の強い酒をも生み出している。

神村酒造

「地下蔵預かり古酒」の詳細・申し込みはこちら
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