マレーシア料理「マレーカンポン」(2ページ目)

スタミナ満点だけれど身体はすっきり！「肉骨茶」はクセになる味

さて、ワタシのなかでマレーシア料理といえば、まずは“肉骨茶（バクテー）”を思い浮かべる。偏愛しているといってもよいくらい気になる料理である。

そんなワタシの好みを知っている彼女は、訪問前に店の方に頼んで鶏肉版肉骨茶「チクテー」を頼んでおいてくれていた（オトさん、ありがとう!!）。肉骨茶は骨付きの豚肉で作られることが多いのだが、宗教上豚肉を口にできない人たちのために、この店では鶏肉版を用意しているようだ。

早速口にしてみる。……うわぁ、見た目よりも透明感のある味。これが第一印象だ。漢方薬には欠かせないスパイスをふんだんに使っていながらも、その香りは不思議と直接感じられない。しかし、後口にはしっかりとスパイスの余韻が残り、ぱらりと炊かれた長粒米にかければ、優しい味わいは倍増。疲れた胃をそっと休めてくれる包容力がある。ひと口含むたびに、レンゲを持つ手が口へとせっせと速まってしまったほどだ。
スープを味わったら、さあ、お次は骨付き鶏肉だ。2種類のたれが用意されているので、お好みのたれに鶏肉をほんの少しだけつけて、豪快に食らいつこう。適度な弾力を残しつつもスープの味がしっかりとしみた鶏肉に、う、旨い！ しみじみ感じられることだろう。

同店の肉骨茶（チクテー）は、鶏肉版ということもあるのか、強烈なインパクトがあるわけではないが、一度口にしたら、これから時々無性に食べたくなるだろう。そんなふうに思わせる、手間を惜しまない職人技が光る味がした。