BMW初のSUVならぬSAVがお手頃に
気づけばこんなに値落ちしていて「おいしい!」という中古車をご紹介しているこの企画。今回はBMW X5(旧型)を取り上げたいと思います。横滑り防止装置のDSCなど、安定走行のための各種電子デバイスもたっぷり装備しています。またドアミラーとウォッシャーノズルにはヒーターが組み込まれていて、寒い場所での走行をサポートしてくれます
今でこそこうした背の高いSUVは、セダンなどと同じようにモノコックボディが主流ですが、このX5が日本に登場した2000年10月当時は、多くのSUVがラダーフレームをもつボディ構造でした。実際ライバルであるメルセデス・ベンツの初代Mクラス(1998年登場)もラダーフレーム構造です。
ところがBMW初のSUVであるX5はモノコックボディで登場。さらに自社ではSUV(スポーツ・ユーティリティ・ビークル)とは呼ばず、SAV(スポーツ・アクティビティ・ビークル)と呼んでいます。それほど「他の車とは違うんですよ」と自信があったわけです。
デビュー時に搭載されたエンジンは当時の5シリーズセダンの540iと同じ4.4LのV8。その3カ月後には3Lの直6が、さらに2001年10月には4.6LのV8が加わります。4.6LのV8は2003年10月のマイナーチェンジで一度消えますが、2004年5月には4.8LのV8モデルが追加されました。
ルーフスポイラーを標準装備していますから、他のSUV同様、荷物や自転車、サーフボードなどを載せて運べます。またエアサスペンションを備え、セルフレベリング機構が付いています
いずれも4WDシステムを搭載していますが、2003年10月のマイナーチェンジ前は前38:後64のフルタイム4WD、マイナーチェンジ後はxDriveと呼ばれる4WDを採用。これは路面状況に応じて瞬時にフロントとリアの駆動力を無段階に配分するもので、今では同社のすべての4WD車に採用されています。
また組み合わされるミッションは、マイナーチェンジ前はいずれも5AT、マイナーチェンジ後は4.4Lと4.8Lモデルが6ATとなりました。
さて、デビューから10年以上が経ち、原稿執筆時点での修復歴なしの最安値はいくらなのか見てみると……87万円(3.0i/2002年式/9.9万km)と、100万円を切るまでになっています。走行距離が気になる方のために5万km以内も調べてみますと……155万円(3.0i/2002年式/3.4万km)から見つかりました。ちなみに2002年時の3.0iは648万円。
このように十分お手頃価格になっているX5ですが、もちろんただ安くなっているからだけで、ここで紹介しているわけではありません。X5の魅力を次ページ以降でもう少し見ていきましょう。