水疱瘡とは
赤い発疹、水を持った発疹、かさぶたになった発疹が出ています
水疱瘡の原因は、「水痘‐帯状疱疹ウイルス」というヘルペスウイルスです。飛沫感染、接触感染、空気感染します。特に空気感染は、感染力が強く、同じ部屋にいるだけで感染してしまいます。感染から発症までの潜伏期間は2~3週間程度です。
…水疱瘡(みずぼうそう)の原因・症状・検査診断
「免疫不全」がある状態で水疱瘡にかかると、脳炎、肝不全、腎不全などが重症化し、命に関わることもあります。水疱瘡に罹っていない母親から生まれた新生児も危険です。
ワクチンを受けている人が多いと、ワクチンを受けていない人への感染を防ぐこともできます。
水疱瘡ワクチン、その効果
水痘ワクチンです(阪大微研提供)
1歳過ぎたら接種が可能です。日本では1回接種になっているので、1歳過ぎで集団生活をする前に接種が望ましいとされています。
2014年10月1日から定期接種になりました。
生後12ヵ月(1歳)から生後36か月(3歳)までに2回接種し、接種間隔は3カ月以上になっています。勧められる接種は、生後12ヵ月から15か月に1回、1回目終了から6ヵ月から1年後に1回です。
すでに水痘に罹患した人と過去に3カ月以上空けて2回接種した人はは定期接種の対象外です。
ただし、2回接種の間隔は3ヵ月未満の人は、2回を1回とみなされます。従って、
生後12ヵ月月以降に1回の接種を行っている方は、生後12ヵ月から生後36ヵ月までの間に過去の接種から3ヵ月以上の間隔をおいて、定期接種として一回の接種を行います。
あくまで、3歳までの接種が定期接種です。
水疱瘡や帯状疱疹に対する免疫力の低下した人、抗がん剤などの治療で免疫力の低下した人の同居人や医療関係者、水疱瘡の患者に接することが予想される医学生や医療関係者、水疱瘡に罹っていない妊娠前の女性も接種を受けた方がいいでしょう。さらに、病棟や寮などで水疱瘡が発生した時に予防と蔓延の終結や防止のために使用できます。
ワクチンでも、時に免疫がつかない場合がありますが、抗体陽性になる率は90%以上です。しかし、ワクチン接種後の約20%の人に水疱瘡の発症がありますが、症状はどれも軽くなっています。発症予防には、アメリカのように2回接種が有効です。
アメリカでは、水疱瘡ワクチンを混合し、MMRV(麻疹、おたふく風邪、風疹、水疱瘡)ワクチンの2回接種を定期接種として採用しています。ただし、最近、MMRVワクチンでは、MMR(麻疹、おたふく風邪、風疹)ワクチンと水疱瘡ワクチンを分けて同時接種した時より、発熱やそれに伴う熱性けいれんの頻度が増加したという報告を受けて、選択性になっていますが、MMRVワクチンを中止したり、水疱瘡ワクチンを中止したりしていません。
水疱瘡ワクチンの副作用
微熱などの発熱、発疹、接種部位の腫れ、赤くなるなどの症状が約7%程度見られます。非常にまれですが、アレルギー症状の重篤なアナフィラキシー、血小板の数が下がる血小板減少性紫斑病が100万人に1人程度あると言われています。蔓延予防になる水疱瘡ワクチン
水疱瘡ワクチンは水疱瘡の人と接触してからも効果があります。自然に水疱瘡になった人と接触して3日(72時間)以内にワクチンを接種すると、発症を阻止できることが報告されています。大人では、帯状疱疹と言って、水疱瘡と同じウイルスによっておこる病気があります。主に神経にウイルスが感染し、神経に沿って発疹、水泡が出現します。痛みを伴い、適切に治療しないと、神経痛が残ってしまいますし、帯状疱疹の跡は、長く残ってしまいます。アメリカでは、60歳以上の人に、帯状疱疹の予防ワクチン、つまり水疱瘡ワクチンを勧めています。水疱瘡ワクチンは、大人で見られる帯状疱疹の予防にもなります。
水疱瘡ワクチンによって、今後、水疱瘡の発症は減ると考えられますし、実際、2015年では、6月まで現在、発生数が激減しています。