土地購入/より良い土地購入の方法・選び方

地価動向、相場観に強くなる(2ページ目)

土地を購入するときに、それが高いのか、安いのか、納得できる価格なのかは大きな問題です。ところが土地は個別性も強く、価格の妥当性を判断することが難しいことも少なくありません。地価動向や地域の相場について、自分なりの感覚を磨いていくことも必要です。

執筆者:平野 雅之


土地の成約価格を知るには?

土地の成約価格をもとにした市況データは、それぞれの地域の不動産流通機構から公表されています。

財団法人東日本不動産流通機構(東日本レインズ)の場合(対象地域:北海道、青森、岩手、宮城、秋田、山形、福島、茨城、栃木、群馬、東京、埼玉、千葉、神奈川、山梨、長野、新潟の17都道県)は、「レインズタワー」のページ内の「月例マーケットウォッチ」「首都圏不動産流通市場の動向」に、土地の成約件数、平均単価などの記載があります。

社団法人中部圏不動産流通機構(中部レインズ)の場合(対象地域:富山、石川、福井、岐阜、静岡、愛知、三重の7県)は「中部圏市場動向」内の各県ごとの統計ページに、取引件数、平均単価、平均価格などの記載があります。

社団法人近畿圏不動産流通機構(近畿レインズ)の場合(対象地域:滋賀、京都、大阪、兵庫、奈良、和歌山の6府県)は、「不動産市場動向について」のページに、市況レポート、平均単価の推移などの記載があります。

ただし、社団法人西日本不動産流通機構(西日本レインズ)の場合(対象地域:鳥取、島根、岡山、広島、山口、徳島、香川、愛媛、高知、福岡、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄の17県)は、市況動向データのページがあるものの、一戸建ておよびマンションのみが対象となっていて、土地に関するデータはありません(平成24年3月現在)。

個別の取引データを知りたいときには、国土交通省の「土地総合情報システム」内に「不動産取引価格情報検索」のページがあります。これは平成18年4月から一般に公開されているもので、土地取引だけでも約50万件(平成24年3月現在)のデータが登録されています。

不動産取引価格情報検索の価格データは四半期ごとに追加されていますが、個人情報への配慮などから物件は容易に特定できないようになっており、取引価格の要素となる個別要因は詳しく分かりません。データに記載されたおおよその所在地、土地形状、前面道路の幅員や方位、用途地域建ぺい率容積率などをもとに、自らデータを読み取っていくことが必要です。

なお、自分が購入を検討する土地の周辺における取引事例については、不動産業者に依頼をすれば提供してもらえる場合もあります。


地価相場に強くなるには?

自分が土地を購入したいエリアが絞られているのであれば、その周辺地域で売りに出される土地の情報を数多く集めることが、地価相場に強くなるための第一歩です。

その際に「自分だったらこの土地は買わない」と思うものでも、すぐに捨てたりせず価格をチェックしてみるようにしましょう。そして価格は売り出し金額ではなく、1平方メートルあたりの単価、もしくは1坪あたりの単価に換算して比較するようにします。また、土地面積に私道負担面積やセットバック面積が含まれるときは、その分を除外した正味面積をもとに単価を計算します。

一つひとつの土地について必ずしも現地を見る必要はありませんが、立地条件の違い、周辺環境の違い、都市計画の違い、敷地形状の違い、道路条件の違いなどを意識しながら、売買価格(単価)の差がどうして生まれるのかを考えることで、自分が土地を選ぶときの判断基準も次第に明確になっていくでしょう。

一定のエリア内でなるべく多くの土地情報を見ることによって、次第にそのエリアに対する相場観も養われるでしょうし、それをしばらく続けることでピンポイント的な地価相場の動きも見えてくるだろうと思います。


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