多くみられる腰部の筋肉疲労
腰痛には、様々な原因がありますが、病院の検査ではとくに異常がみられず、そのまま様子をみるケースも少なくありません。一般的に多くみられる腰痛では、筋肉の疲労による過度な緊張を伴う状態がみられます。
「筋肉の疲労」というと、病気とはいえないからと軽く考えがちですが、それが進行すると、腰椎の関節や椎間板などが、変性するような影響が及ぶこともあります。状態を進行させてしまう多くの要因は、日常生活での日々の負荷が大きく占めていると考えられます。(日常生活での負荷というのは、単に姿勢による負担ばかりではなく、心身の緊張状態や、転倒したといった外力によるものも含まれます。)
軽度の腰部疲労は横になり休むと改善
筋肉疲労がみられる腰痛が多いと述べましたが、それは、腰の安定性や姿勢保持に関連し、重力に抵抗して働く筋肉に、まずみられがちです。それが、姿勢保持以外で活躍する筋肉に徐々に影響を与えてしまうこともあるため、腰痛以外にも全身あちらこちらに不調を感じるようになる人もいます。
腰部・骨盤をしっかりと支え、あらゆる姿勢の変化や保持に使われる筋肉の疲労は、軽度であれば、横になり筋肉や関節への負荷を軽減させ就寝することで、翌日には疲労が回復していることが多いです。それに伴い、軽い腰痛や腰のだるさも消えることが多々あります。
寝る姿勢により腰痛になることも
ところが、ただ横になり休息をとればよいのかというと、そうではなく、かえって腰が痛くなってしまう場合もあるため、気を付けなくてはなりません。筋肉の疲労が、ご自身で思ったよりも進んでいる場合は、横になり体を休めている際に、思わぬ負荷が腰部にかかることがあります。
■うつぶせでの読書やテレビ鑑賞に注意!
カーペットにうつぶせになり、ゴロゴロリラックスしながら、読書をする人もいるようですが、この状態でしばらくいると、腰に違和感が……そして体勢を変えようとしても、腰が痛くて動けず、ということがあります。この姿勢は、腰椎の関節に負荷がかかるため、腰のコンディションがあまり良くない人は、痛みが出てしまう可能性があるのです。
無理をせず、腰が反り返らないように浮かせましょう
対処法は?⇒
読書やテレビに集中すると、ついつい同じ姿勢をとりがちになり、関節への負荷がかかりっぱなしになります。負荷を解放するために、腰を床から浮かせ、すぐに下すといった上下運動を数回行ってみましょう。腹筋を使うため、痛みが出る人は行わないようにご注意ください。
■仰向けで寝ていたら腰が抜けそうに痛くなり……
布団で眠るときに、仰向けで横になる、ということは珍しいことではありません。しかし、仰向けから寝返ろうとした際に、腰に痛みが走り、無理に動かそうとすると腰が抜けるような感覚になることがあります。背中側とお腹側の筋肉の働くバランスが崩れ、骨盤の角度や腰椎のカーブに影響が出始めている時に、起こりがちな痛みです。
腰をゆっくりと浮かせていきます
対処法は?⇒
仰向けの状態で、痛みの変化に注意しながらゆっくりと両ひざを立てます。痛みが軽減したらゆっくりと天井方向へおへそを近づけるように、お尻を持ち上げ3秒間キープ。お尻を布団につけて、再度お尻を持ち上げ3秒間キープ。数回繰り返すと寝返りがうてるようになります。
■朝、目覚めたら腰が重だるい
朝、目覚めて起き上がろうとしたら、腰の筋肉が硬くなったようで重だるい、ということがあります。これは、腰部の筋肉や関節の機能が低下し、睡眠中にその周辺の血流が滞っている可能性が考えられます。
まるくなりゆりかごのように揺れてもOKです
対処法は?⇒
起きあがり活動を始めると和らぐケースが多いですが、注意することは、いきなり起き上がらないこと。布団の中で、両ひざを胸に近付けるポーズをとり、背面の筋肉に刺激を入れてから起き上がりましょう。