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ゲーム業界はソーシャルと本気でお付き合いするのか(2ページ目)

2011年、大変に話題になったソーシャルゲームの隆盛。2012年はゲーム業界の大手メーカーも続々とソーシャルゲームに力を入れていく年となるでしょう。さて、ここで大切なのは、一概に力を入れると言っても、ソーシャルゲームに対してどういう姿勢で力を入れていくのか、という部分です。

田下 広夢

執筆者:田下 広夢

ゲーム業界ニュースガイド

ソーシャルゲームとコンシューマーゲームの関係

モンスターハンターの図

モンスターハンターだってソーシャルゲームになっちゃいます。

ソーシャルゲームにおいて、現状、大手コンシューマーゲームメーカーとそれ以外のソーシャルゲームを展開する企業に、ゲームの内容においてそれほどの大きな差はないかもしれません。開発に時間やお金がかからない、かけていないからこそ、差がつきにくいと言っても良いでしょう。さすがに、コンシューマーゲームのような圧倒的リソースの投下はソーシャルゲームではまだ行われていません。

そこで分かりやすく差別化できる部分と言えば、先ほど申し上げたタイトルのブランドです。それこそバンダイナムコゲームスなどは、もともと版権物のゲームを扱うのに長けたメーカーですから、ゲームブランドに限らず、ワンピース グランドコレクションやガンダムロワイヤルなど、漫画やアニメで認知度の高いコンテンツを次々ソーシルゲーム化しています。

既存タイトルの認知を利用して集客していくモデルが有効であるとすると、ソーシャルゲームを1つの出口と考えて、コンシューマーゲームが維持されていくという構図もにわかに浮かび上がってきます。

コンシューマーゲームビジネスの出口の1つ

ゲームハードの図

リスクが高く苦しい状況の続くコンシューマーゲームビジネスの出口の1つとしてのソーシャルゲームという考え方もできます。

もしも、コンシューマーゲーム業界のソーシャルゲームに対する主な関わりが、自社が持つ認知度の高いタイトルを使った集客という図式であれば、業界全体にあまり大きな変化は起きないかもしれません。

それは、コンシューマーゲームビジネスの出口論の1つでしかなく、人気コンテンツを軸にして、そこからソーシャルゲームでもパチンコでも、その時儲かっている仕組みにどうやって乗っかるかという話でしかないからです。1つの強力なコンテンツ開発に力を注ぎ、それをコンシューマーゲーム以外の商品開発やライセンスビジネスなど、マルチに使ってビジネスを拡大していくという構図は様々な形でこれまでも行われていたことでした。

逆にもし、ソーシャルゲームならではで、かつ、新しいゲームコンテンツをゲーム業界が作り出す、そういう流れになるとすると話は大きく変わってきます。

2012年はそういう意味で、コンシューマーゲーム業界とソーシャルゲーム業界の関係性がはっきりしてくる年になるかもしれません。
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