食と健康/旬・季節の食事の食べ方・レシピ

冷え込みが厳しい日は、にら料理でほっこり

年中出回っているにらですが、冬から春先から出るものは葉肉が厚く柔らかで一段とおいしくなります。暦の上では春でも、冷え込みが厳しい日には、体を温めるのをサポートしてくれるにらから元気をもらいましょう。

南 恵子

執筆者:南 恵子

NR・サプリメントアドバイザー / 食と健康ガイド

にらは、ビタミンやミネラルを含む緑黄色野菜

にら.β-カロテン.ビタミンC

にらは、β-カロテンやビタミンCなどを含む緑黄色野菜。

古くから薬食として用いられてきたにら。寒さ暑さに強く、収穫してもまた新芽が出て来るたくましさから、先人たちはにらから生命力をわけていただいていたのでしょう。漢方や食養生では、胃腸を温め、血の巡りをよくすると考えられています。

科学的に見てみると、どうでしょうか。
にら100g 中に含まれている栄養素を食品成分表で見ますと、特にβ-カロテン当量3500μg、ビタミンE2.6mg、ビタミンC19mg、ビタミンK180mg、葉酸100μgなどが含まれています。

β-カロテンは体内で粘膜増強、免疫細胞の増殖を助けるビタミンAに変わり、抗酸化作用があるビタミンCとともに、免疫力を高める働きがあります。ビタミンEとビタミンCは、作用が長くもつようにお互いに助け合っています。これらの栄養素は、寒さに負けない体の抵抗力を高めるサポートをしてくれます。

またミネラルでは、カルシウムは48mgは、ほうれんそう並(49mg)に含まれ、カリウム510mg、鉄、亜鉛などの他、抗酸化作用のあるセレンというミネラルも含んでいます。

元気の素は、独特の香りの成分

にらといえば独特のにおいが特徴ですが、その成分はアリシンという硫化アリル。アリシンは、糖質の代謝に欠かせないビタミンB1の吸収や、体内での残存率を高める働きがあり、糖質のエネルギー代謝を促します。また血行を良くすることから体を温めると考えられ、昔から風邪や冷えからくる腹痛など時に「にら粥」が食べられていたのも理にかなっているようです。

またアリシンは、消化液の分泌を促して消化をサポートする働きや、抗菌作用などもあると考えられています。ただし、これらの作用については、まだまだ研究されている段階です。

中国などでは、にらを3000年以上前から利用されていた歴史のある野菜です。にらの葉だけでなく種子も「韮子」という生薬で、より強い作用があるとされています。

近年、にらの種子からの抽出エキスの機能性について、抗疲労作用,抗老化、免疫力向上などの作用が期待できるという研究報告もありました。また高知県の研究室では、にらに含まれている成分中に高い抗ピロリ菌活性を見出し、その活性の特徴や関与成分の解明に取り組まれています。まだまだ食品の機能性については、これから様々なことが明らかになってくるのではないでしょうか。

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