ステーションワゴンの利便性に悪路走破性をプラス
気づけばこんなに値落ちしていて「おいしい!」という中古車をご紹介しているこの企画。今回は日産ステージアAR-X(絶版)を取り上げたいと思います。ステージアの中では唯一18インチを履きこなすAR-X(他は16または17インチ)。4WDは日産お得意のアテーサE-TSにスノーシンクロモードを備えたもの。キセノンヘッドライトも標準装備しています。車高は他のグレードに対し、40mm高くした180mm
SUVといえば同じ日産ならエクストレイルやムラーノなど、背の高いスタイルが主流ですが、ほんの少し前まではステーションワゴンの車高を上げて悪路走破性を高めた、このAR-Xのようなモデルも人気を集めていました。他にはスバルレガシィアウトバックやアウディオールロードクワトロ(現在はA4オールロードクワトロ)、ボルボXC70といった車があります。
ステーションワゴンの積載性はそのままに、車高が高くて4WDであるなど悪路もへっちゃらというメリットを兼ね備えたモデルで、かつ背の高い(つまり主流の)SUVと比べたら、例えばコーナリングで大きくロールをすることもないなど走行性能がステーションワゴンと遜色がないというのがウリです。
そもそもステージアが「プレステージワゴン(プレス資料より)」を目指したモデル。1.5~2Lクラスのステーションワゴンとは装備も走行性も高級感が違います。長距離でも悪路でも突然天候が変わってもへっちゃらというクルージングカーです
ところが技術の進歩で、背の高いSUVでもコーナリングでロールすることがあまりなくなってしまい、ステーションワゴン系SUVのメリットが一つ消えてしまいました。
さらに、いわばV35(つまり旧型)スカイラインのステーションワゴン版として、2001年10月に登場した2代目ステージアですが、残念ながら大型ステーションワゴンは日本であまり人気がなく、2007年には絶版に。それに伴って今回紹介するAR-Xも消えてしまったのです。
しかし中古車市場で今一度AR-Xを見てみると、原稿執筆時点で見つけた一台は2001年式/4.7万km/修復歴なしで67.2万円と、軽く100万円以下を切った価格で売られています。ちなみに新車時価格は356万円。
こうなってくると、AR-Xが実においしく思えるのです。「でも同様に100万円以下で、背の高いSUVもあるんでしょ?」と言われるかもしれませんが、それでもこの車はおいしいと私は主張したいのです。
なぜAR-Xがおいしいのか。その理由を次ページ以降でもう少し見ていきましょう。