療養食・食事療法/その他の病気の療養食・食事療法

眠れない夜が続く人の食事・栄養対策

慢性的な睡眠不足は、体と心の不具合を招きます。毎日を元気に健康的に過ごすためにも、食生活を改善したりサプリメントを使用することで、ぐっすり眠れるようにしたいものです。

一政 晶子

執筆者:一政 晶子

管理栄養士・米国登録栄養士(RD) / 栄養管理・療養食ガイド

不眠は多くの人が経験する症状で、性別に関わらず年齢とともにその数は増えていくと言われています。不眠の最大の理由に精神疲労とストレスを挙げる人が多いようです。何時間眠らなくては不眠という決まりはなく、本人が十分でないと感じれば不眠です。4時間眠れば十分な人もいれば、10時間必要な人もいます。

寝不足

今日もまた寝不足

不眠の原因は、音や気温の変化、薬の副作用、環境の変化、ストレス、うつ、不安、PMS、閉経、生理、妊娠など様々です。睡眠にはレム睡眠とノンレム睡眠があります。レム睡眠は浅い眠りで、脳は起きているけれども体が休息している状態です。ノンレム睡眠は深い眠りで、脳が休息している状態です。体も脳もしっかり休息するためには、浅い睡眠も深い睡眠も大切です。睡眠中に、レム睡眠とノンレム睡眠の周期が繰り返されます。

不眠は体重増加を招くという研究も報告されています。これは、睡眠不足により、食欲をコントロールするホルモンの働きに影響をあたえるためだといわれています。

食生活のポイント

寝る前の水分摂取に注意
夜中にトイレに行くために目が覚めてしまい、その後なかなか寝付けない人もいます。水分は寝る90分くらい前までに摂取すれば、睡眠中にトイレに行く回数を減らすことができるかもしれません。アルコールは眠りを浅くするとも言われているので、寝る前3~4時間は摂取しない方がよいでしょう。

カフェインの量とタイミングもチェックしよう
カフェインには覚醒作用があるので、不眠に悩まされている人は、緑茶、紅茶、チョコレートなども寝る前3~4時間は摂取しないほうが良いでしょう。カフェイン量の多いコーヒーなどは、就床8時間くらい前から控えるとよいとも言われています。

夕食、夕食後のスナックにも注意
食事を消化吸収するにはエネルギーが必要です。寝ようとしているときに、体のエネルギーを食事の消化吸収に使ってしまうと、体がうまく休めず睡眠につきにくいといわれています。お腹が一杯のまま寝ないようにしましょう。特に脂っこいものを食べると消化吸収に時間がかかります。エネルギーが必要な日中に食べるようにしましょう。

温かい牛乳を寝る前に飲む
温かい牛乳を飲むとよく眠れるといわれています。牛乳に含まれるアミノ酸であるトリプトファンの催眠作用、カルシウムの精神安定作用、乳児期に記憶された心地よさなどが関係しているという説もあります。寝る前15分ほどに暖かい牛乳をリラックスしながら飲むのもよいでしょう。

*個人差がありますので自分に合う方法を見つけてみましょう。

おすすめサプリメント

バレリアン(Valerian)
バレリアンは鎮静効果があるハーブで、昔から長く使用されています。寝る前30分から1時間くらいに摂るとよいとされています。カプセルタイプ、ハーブティーなど色々なタイプのものを購入することができます。毎日使うのではなく必要時に摂るようにしましょう。 頻繁に使用すると、頭痛やめまいなどの副作用が見られる可能性もあります。

カモミール(Chamomile)
カモミールは香りのよいハーブで、昔からヨーロッパで使われてきました。睡眠障害に効果があるとされています。

※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※当サイトにおける医師・医療従事者等による情報の提供は、診断・治療行為ではありません。診断・治療を必要とする方は、適切な医療機関での受診をおすすめいたします。記事内容は執筆者個人の見解によるものであり、全ての方への有効性を保証するものではありません。当サイトで提供する情報に基づいて被ったいかなる損害についても、当社、各ガイド、その他当社と契約した情報提供者は一切の責任を負いかねます。
免責事項

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます