セダンタイプのタイプRと比べても今こそおいしい!
セダンタイプのシビックが登場したのは2005年。そのタイプRのデビューが2007年3月、そしてこのタイプRユーロはようやく2009年11月に日本に上陸しました。当初は限定2010台、その後セダンタイプ(タイプR含む)は2010年8月に生産終了となりましたが、タイプRユーロは少数生産モデルとしてまだ販売されています。車速は上段のデジタル数字で表示され、タコメーターは下段、ステアリングの真正面に大きく配置されているなど「VTECを回して楽しんで!」と言わんばかりのインパネ。カーナビの設定がない独特のデザインが、またこの車の大きな魅力になっていると思います
先述したようにフィットと同じプラットフォームを使用し、イギリスで生産されています。セダンのタイプRと同じ2Lエンジンながら、タイプRユーロ専用にチューニングが施され、そこに6MTが組み合わされています。
最高出力は201psとセダンタイプのタイプR(225ps)より抑えられ、車重も50kg重い1320kg。このあたりのスペックからしても、ピュアスポーツという観点からすればセダンタイプのタイプRということになるでしょう。
フロントはTYPE Rと刻印されたバケットタイプのシート。ちなみに後席にも大人がちゃんと座れますし、リアシートを倒せば背もたれがラゲージ面と平らになるなど、実は実用的な車でもあります
しかしながら、高回転域まで回せば回すほどドライバーの鼓動が高まり、ついついアクセルを踏んでしまいたくなる衝動は、やはりタイプRでしか味わえない快感。しかもそれを、サーキットへ持ち込まずとも味わえるのですから、セダンとは違った魅力があります。
ところが中古車価格を見てみると、タイプRユーロのほうがお得感があるのです。原稿執筆時点で修復歴なしのセダンのタイプRを見てみると、最安値は198万円(2007年式/4.4万km)でした。新車時価格はタイプRユーロとほぼ同じ283.5万円。つまりタイプRユーロのほうが、2年若くて、2km走行距離が短いけれど、中古車価格がほぼ同じというわけです。
加えて、この手の「走って楽しい車」は、値落ちを待てば待つほど中古車のコンディションは劣化してくるのが当たり前。しかも販売台数が少ないため中古車の流通量も少なく、2~3年後にコンディションのよいタイプRユーロを見つけるのは、けっこう難しいと思われます。ですから200万円を切った今くらいで、サッとすくい上げるような買い方をしたほうが、おいしい食べ方ではないでしょうか。
熟しすぎるのを待ちすぎると、バナナが黒くなってしまうように、やはり食べ頃というものがあります。タイプRユーロの場合はまさに今だと思うのですが、みなさんはいかがでしょうか。
このように、しっかり調べてみればお買い得な車種は意外とあるものです。あなたも一度、探してみてはいかがでしょう。
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