この世に登場してから数百年も経っている、文具の中でも古株に属する鉛筆。芯がより書きやすく進化してはいるものの、基本的なところはずっと変わらずにきている。ただそうした中でも私が感じる鉛筆の大きな変化は、鉛筆に消しゴムがついた時だった。消しゴムは鉛筆と切っても切り離せない関係であるので、この2つを一緒にしてしまうというのは実に理にかなった組み合わせ。
そんな風に考えると、消しゴムつきの鉛筆は、多機能ペンの走りの一つとも言えるのではないだろうか。鉛筆は、もはや完成の域に達しているので、もうこれ以上の変化はないだろうと思っていた。しかし、この鉛筆を見かけた時は衝撃的だった。
今回、紹介するこちらは消しゴム付き鉛筆のように何かを付け加えるのではなく、むしろ逆に鉛筆から一部を削りとることで新しい機能を付け加えている。
新たな機能が溶けこんでいる
これはくどくど説明するよりも、その姿をまずは見てもらうほうがいいと思う。
ポケットペンシル995円
鉛筆の後側の中ほどがごっそりとえぐり取られて、それによりクリップが生み出されているというものだ。
一体どうやって削りだしたのだろうというほどの、キレイな削り具合
この鉛筆をはじめて手にしてまず確認したのが、この削り取られた部分に芯はあるのか?ということ。クリップの裏側を覗き込んでみると、本来芯があるはずの軸の中央部分よりも深く削り取られている。どうやら、このクリップの下には芯はないようだ。
クリップの下側は芯があるところよりも深く削り取られている
つまり、鉛筆として筆記できるのはクリップの下側だけということになる。それで困るかと言えば、それほど大きな問題ではないように思う。
次のページではそのクリップ力を確かめてみた。