土地活用のノウハウ/空室対策・賃貸管理・老朽化

管理会社で差がつく、空室対策の善し悪し!(4ページ目)

賃貸物件管理を委託している場合、管理会社の働き方で賃貸経営の成功と失敗が決まるので、良い管理会社の選び方を考えてみましょう。事前にいくつかの管理会社に話を聞いて、仕事内容・印象を比較して選ぶオーナーさんは少数派です。建築会社の言われるまま、たまたま知り合いがいる、地元である、などの理由で頼むケースが大部分です。管理会社の業務を見ていき、良い管理会社とそうでない管理会社の見分け方をお話しします。

谷崎 憲一

執筆者:谷崎 憲一

土地活用ガイド

早く入居者を決めるための「引き出し」を多く持っている

提案力のある管理会社は、空室対策についてもいろいろな引き出しを持っています。たとえば成約者へのプレゼントキャンペーンという方法があります。その際もただ「ご契約いただいたお客さまに○○をプレゼント!」とするのではなく、費用がほぼ同額のA、B、Cの3つのプレゼントを用意し、その中からお好きなものを選んでいただくといった方法を考えてくれます。

たとえばAはウォシュレット、Bはリビングの照明、Cは好きな柄のクロスへの張替えなど。最近では浴室用のテレビ(8~18万円程度)も好評です。入居者に喜んでもらえるだけでなく、それをプレゼントすることでそれ以降も部屋の付加価値を上げることができるような設備だと一石二鳥です。

「フリーレント(無料貸出)」といって、「今契約された方には、1ヶ月間の家賃無料!」といったキャンペーンもあります。フリーレントの期間は一般に1~3ヶ月です。要は入居者に何かしらの経済的なメリットを提供し、同時にそれを中心としたキャンペーンを打ち出すわけです。

あるオーナーさんは、定期借家制度を利用して、「1年間だけ家賃を値下げします」というキャンペーンを打って空室を埋めることに成功しました。この方法では、たとえば本来なら月に6万3000円の家賃をいただきたい物件について、「1年間だけ特別に5万8000円でOK」とするのです。その1年間についてはお試し期間のような扱いで、定期借家契約とし、1年経って入居者が部屋を気に入っていたら、家賃を6万3000円として再契約するわけです。逆に入居者が「この部屋に6万3000円の価値はない」と思えば、再契約はせずに退去することができます。

こうした方法は、部屋探しをしている人に関心を持ってもらうには効果的です。1年間限定であっても相場より1割安いと、雑誌などの媒体でも「この物件、なんでこんなに安いんだ」と注目を集めることになるからです。家賃を1割下げるということは、1年のうち約1ヶ月もの間、空室があった時と同程度の収入減となります。つまり、1ヶ月のフリーレントを提供するのと同程度の負担となるわけです。

こうした管理会社の差配一つで、経営状況はどんどん変わっていくのです。
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