下町と山の手が近接する街が理想的?
下町と山の手は標高20メートルを境にくっきり分かれているわけではありません。東京の地形はよく指先を右に向けて左手を置いたような形といわれています。指が台地で指の間が谷・川に当たるというわけです。でも実際には台地は5つ以上ですし、谷も無数にあります。東京ほど坂道の多いところはなく、坂の下は下町、上は山の手とうように下町と山の手はセットで存在しているところが多数あるのです。たとえば、麻布の高級住宅街と麻布十番の商店街、本郷と根津・谷中の商店街のように。(これが関西になると、大阪全体が下町、大阪から阪神間は海に近い下町と六甲山地の山の手の高級住宅地がはっきりと分かれています。)山の手に住んでセットで存在する近くの下町へ、坂を下って買い物に行く、というのが、理想的な暮らしかもしれません。が、住宅価格・家賃という現実抜きでは自分に合った町にはたどりつけません。
かなり乱暴な整理の仕方ですが、価格の高い準に並べると、旧山の手が一番、都心寄りの新山の手(渋谷、目黒など)と都心寄りの旧下町(銀座、日本橋など)が2番手として続きます。その次に都心から離れた新山の手が追いかけ、都心からやや離れた旧下町がその後を追います。そして最後に庶民的な新下町が登場といった、価格序列となります。そこに都心からの距離を重ねてみます。都心からの距離が近いのは旧山の手と旧下町です。したがって近い割に安い町は旧下町に多く存在しているといえます。
山の手と下町という2つのタイプの町が時代とともに4タイプの町に発展するまでの生い立ちと変遷を通して、徐々にあなたの暮らしに合った町の大まかなイメージ形成ができてきたのではありませんか?自分に合った町が新山の手か旧下町が判明したところで、次回は、もう少し先に話をすすめていきましょう。
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