拡充するシニア向けブランド
シニア向けクラブとして、今一番頭に思い浮かぶのは、ブリヂストンの新ブランド「PHYZ」でしょう。「ゴルファー五感」という新しい発想で、「アドレス時の心地よさ」や「グリップのしっくり感」、「打球音や打感」など、五感でゴルフの気持ちよさを感じるというコンセプトで、2011年に新たに立ち上げ。
積極的な広告戦略が功を奏したこともあり、ゴルファーから高評価を受けています。
2011年に「R11」ドライバーが世界中のツアーで使用されたテーラーメイドでは、日本限定で「GLORIE(グローレ)」という新しいシニア層向けのブランドを発表。ブランド立ち上げまで5年を要したという力の入り様です。2012年の3月に発売予定になっています。
「R11」でも採用された白いヘッドで、日本のゴルファーが求める飛距離性能にこだわっています。
7代目の「ゼクシオ セブン」ももはやシニア層向けと言っても良いかもしれません。
前出の通り、シャフトの硬さは以前のモデルに比べて軟らかくなっています。ゴルファーの圧倒的な人気を持つブランドは、これまでのファンに引き続き支持されるよう微妙に変化しているというわけです。体力が落ちたと感じる数世代前のゼクシオユーザーが、最新モデルを使用してマッチすることも大いにあり得るでしょう。
「ゼクシオ」は、さらに年配層向けに「ゼクシオ プライム」というモデルもラインナップしています。
もともとシニア層に向けて人気の合ったブランドも、新モデルをラインナップしています。
カタナゴルフ「SNIPER V」や、セイコー「S-YARD X lite」、マルマン「MAJESTY VANQUISH-VR」などがその代表。
特に、マルマンの「マジェスティ」ブランドは、シニア向けのプレミアムブランドとして国内外で多くのファンを持っています。昨年発売された40周年限定モデルは、ドライバー1本40万円という高額ながらわずか一ヶ月で完売。根強い支持を印象付けました。
シニア層向けのやや高額のドライバーは、市場全体の半分近くを占めるとも言われています。これまで積極的でなかったメーカーも、新しいシニア層向けのモデルを用意しているという噂も…。
対象ゴルファーにとっては、選択肢の幅が広がりそうです。
こうしたシニア層向けのクラブは、いくつかの特徴があります。
それは、軽量でシャフト長は長め、フェースの反発性能もルールを勘案しながらギリギリまであげているものも少なくありません。これはどれも飛距離アップの工夫です。
中には、リョーマゴルフ「RYOMA D-1 SPECIAL TUNING」のように、反発係数規制をオーバーしたルール不適合のモデルもあります。是非はともかく、これも飛距離へのニーズが高い証明です。