はまりすぎにご用心のキモカワ絵本
第3位 『こびとづかん』
「え~、キモカワいいっていうけど、これ可愛いのかな?」と疑問を持ちつつ、ついつい何度も見てしまう……そんな、不思議な絵本が大人気です。正直なところ、初見では表紙の絵に違和感があるかもしれません。そこをグッとこらえて絵本を開くと、こびとの魅力に心を奪われてしまうかも……う~ん、たぶん……もしかするとね。
事の発端は、主人公の飼い犬が見つけてきた抜け殻のような変なもの。物知りのじぃじに聞いてみると、小人の抜け殻だというのです。じぃじからコビト図鑑をもらった主人公は、草むらや森でいろいろなこびとを見つけることに……
この作品はきちんと向かい合ってみると、第一印象とは違い、こびとの世界観がきちんと作られたれっきとしたファンタジーなのです。ただ、あまりに個性的なイラストとシュールな内容のせいで、読者は、ファンタジー作品として受け入れることをなんとなく拒否してしまうのでしょう。だからといって、「子ども向けとは言えない」と決めつけるのは早すぎるかもしれません。この独特な世界観に引き込まれ、想像力を刺激されたお子さんたちは、おおいに作品を楽しんでいるようです。
最後に「そうはいっても、気持ち悪いよね」と敬遠している方々へひとつだけご忠告を。怖いもの見たさで何度も絵本を手にするうちに、すっかりこびとにはまってしまう「こびと中毒」にはくれぐれもご注意ください?! 人気絵本の上位にランクインした実績を見れば、あながち杞憂とは言い切れないかもしれませんよ。
【書籍DATA】
なばたとしたか
価格:1575円
出版社:長崎出版
推奨年齢: 4・5歳くらいから
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