数多くの歴史遺産が現存する古都
長江(揚子江)の下流、水と緑溢れる美しい町 (C)楊潔
上海からわずか2時間。上海旅行のプラスαとして楽しめる
南京は長江下流という肥沃な土地に恵まれ、古くから政治・経済の中心地をして栄えてきました。歴史の表舞台に登場するのは今から2600年ほど前、春秋時代の呉越戦争で勝利した越がこの地に築城したことに始まります。3世紀以降は東呉、東晋、宋、斉、梁、陳、南唐、明といった王朝の都であり、南京国民政府時代には首都とされました。北京、西安、洛陽と共に中国四大古都と称されています。現在も江蘇省の省都に定められ、中国を代表する大都市の一つとして発展を続けています。
上海、蘇州、杭州、揚州など近隣都市とセットで旅行!
水郷の町・周庄までも列車で3時間! (C)Gejian Architects & Engineers
経済発展を成功させる傍らで、歴史遺産の保護に力を入れている
長江下流一帯「江南エリア」には、南京のほか上海、蘇州、無錫、鎮江、揚州、杭州といった観光スポットが密集しています。南京一箇所をじっくり見るのもいいのですが、周辺都市と組み合わせてのプランもおすすめです。周辺都市への移動はバスや列車があり、どこも数時間ととても便利です。
南京の町はじっくり観光するとしたら3日ほど必要となりますが、上海からの週末旅行としても楽しめる場所で、見所をピックアップすれば1、2日でもまわれます。旅行会社では一週間で周辺都市7箇所をまわるツアーなども組まれていますが、移動を個人で手配しなければならない個人旅行では不可能です。各都市2日ぐらいの、余裕あるスケジュールを立てるようにしましょう。
南京における抗日運動、反日感情
中国どこにおいても反日感情は多少なりとも存在する
中国で南京と聞くと、第二次世界大戦時に日本軍が南京市民を惨殺したとされる「南京事件」が連想されます。2007年には「侵華日軍南京大虐殺遇難同胞紀念館」が建築され、また最近、南京事件を扱った中国映画が次々と放映され、「南京=反日のシンボル」のような存在になってきつつあります。だからといって南京の町が反日ムードに溢れているわけではありませんので、過分な心配をする必要はありませんが、不用意な発言、態度は控えたほうが無難です。