平成23年4月27日、「東日本大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律」(=「震災特例法」)が施行されました。これは東日本大震災の被災された方々の負担の軽減等を図るためのもの。さらに平成23年12月14日には「震災特例法の一部を改正する法律」も施行され、これまで制度に加え、様々な税制上の特例が設けられています。今回、その一部を確認してみましょう。
 

地震で被害に遭ったら、「雑損控除」で税金を取り戻せる

確定申告書類

地震で被害に遭ったら、確定申告の「雑損控除」を申告しよう

まずは雑損控除。これは災害または盗難、横領によってマイホームや家財に損害を受けた場合に、一定金額を所得からマイナスできる従来からある制度です。税金のベースとなる所得金額が低く抑えられることになるため、税金が安くなります。

具体的な計算式は、下表のようになりますが、雑損控除以外に「災害減免法による税の軽減免除」のしくみもあり、どちらか有利な方を選ぶことができます。

■雑損控除額
(1)
差引損失額(損害の金額+災害関連支出の金額-保険金などにより補てんされる金額)-総所得金額等×10%

(2)
差引損失額のうち、災害関連支出の金額-5万円

※雑損控除・災害減免法の仕組みについては「保険金支払対象外なら「雑損控除」で税金を取り戻す!」に詳細について記載がありますので、合わせてご覧ください。

ただ、雑損控除を利用するには、損害額が一定以上でなければなりません。計算式(1)をみると、所得からマイナスできる一定金額とは、こうむった損害の金額そのものではないとわかります。災害で失った住宅や家財の取り片付け費用などの災害関連支出は損失額としてプラスできますが、一方で火災保険金や火災共済金などを受け取った場合は、その分は差し引かなくてはなりません。つまり、実質的な損失額がベースとなり、マイナス額が計算されるわけです。

となりますと、災害とはいえ、火災保険などの契約があれば損害額が100%カバーできるようなケース、たとえば火災や落雷などの被害については、差引損失額が生じないため雑損控除は使えないことになります。

一方、地震被害の場合は、地震保険の契約がある場合でも、受け取れる地震保険金は、最大でも損害額の半分まで。共済団体が取り扱う火災共済でも、地震による被害は損害額全額をカバーできず、見舞金等で対応する場合もあります。

このように、地震被害の場合は損害額と支払われる保険金等がイコールにならないため、実質的なマイナスが生じ、さらに損失額が総所得金額の10%以上であれば、雑損控除を利用できることになります。

また、水害による被害に対する保険金も、契約内容によっては損害額全額をカバーしないものがありますから、昨年の台風被害で大きな損害を被った場合も、雑損控除が利用できるケースがあると思います。

次のページは、損害額の計算方法について紹介します。