7月:BMWの新しい戦略がみえてきた 1シリーズ
プレミアムコンパクトで唯一のFR(後輪駆動)を採用する1シリーズの2世代目。国内では出力の異なる1.6リッターターボエンジンを搭載する、116i(136ps)と120i(170ps)を導入。価格は116iが308万円、116iのスポーツとスタイルが318万円、120iが367万円、120iのスポーツとスタイルが387万円となる
ガイシャでは、月末にミュンヘンで乗ったBMW1シリーズが最高だった。エンジンフィールの官能性を諦め、エンジン性能とライドフィールを追究した。新しいビーエムの方向性が、このシリーズで決定したと思う。BMWの新ブランド、“i”のお披露目も、7月であった。
■印象に残ったそのほかの輸入車
プジョー508@小淵沢
ブランド創立200年となる2010年に発表されたコンセプトカー、SR1で提示された新しいブランドデザインを採用するフラッグシップモデル、プジョー508。407シリーズの後継モデルとなる。サルーンとSWと呼ばれるステーションワゴンが用意されている。ベーシックな アリュール(サルーン 374万円、SW 394万円)と装備を充実させたグリフ(サルーン 414万円、SW 437万円)をラインナップ
8月 趣味の月
毎年8月中旬にアメリカ西海岸のモンテレー周辺では大規模なカーイベントが集中して開催、古今東西/老若男女のクルマ好きが集結する。名門ゴルフコースの18番ホールで開催されるペブルビーチコンクールデレガンスや、コークスクリューで有名なラグナセカサーキットで行われるヒストリックレーシングカーレース(モンテレーモータースポーツリユニオン)が有名
毎年、8月は趣味の月である。今年もモンタレーに行った。ぜひ、あの世界観を、拡大解釈しつつ、日本でも、もっともっと紹介と展開をできればなあ、と思っている。www.CARZY.netから是非。
■印象に残ったそのほかの輸入車
ポルシェ962ロードカー@館林
ランチアオウレリアB20GT@大阪
9月 今が頂点!? フランクフルトで圧巻ショーのドイツ勢
フランクフルトショーにおける、ドイツ勢の威勢のよさが、とにかく印象的だった。ひとつの建物をひとつの会社が占有する勢い。アウディなんか、アイススケート場のような、テンポラリーな巨大施設を作ってしまったほど。とにかく、フランクはドイツ勢を検分するだけで、心も体もへとへとになる。
“ガイシャが来ないから盛り下がった”などと、見下げた根性をさらけ出した09年東京ショーとはえらい違い、会場の狭さは仕方ないにしても、はたして企画として12月は大丈夫だろうか、と心配したが……。半分心配した通りになってしまったなあ。
東京にきて中国や韓国のジャーナリストが、地味過ぎてつまらないと言っていたのはともかく、メディア技術ショーという割には、国産勢の踏ん張りが足りなさ過ぎ。海外ショーの実体を知らないわけじゃあるまいし……。
それはさておき、フランクでドイツパワーに打ちのめされ、きっとこれが頂点で後は滑り落ちるだけなんだよ、と思うのが精一杯、という気分で臨んだのが、仏ノルマンディー海岸のディナールで行われたプジョー3008ディーゼルハイブリッドの試乗会だった。
FF車のリアアクスルに、モーターと電池を積んでAWDのハイブリッドに。この仕組みの良さは、どんなFF車にも応用可能だということ。前後の制御が問題点だが、3008ハイブリッドはとてもよく走ってくれた。日本への導入はガソリンハイブリッドからになるだろうけれども……。
■印象に残ったそのほかの輸入車
M・ベンツSLSロードスター@モナコ
M・ベンツBクラス@ストゥットガルト
シトロエンDS4@箱根
AMG初の専用スポーツカーとして登場したSLS AMGのロードスター。フロントミッドシップエンジンとトランスアクスルレイアウトなどを採用、前後重量配分を47:53とした。最高出力571psの6.2リッターV8エンジンに、デュアルクラッチトランスミッションの7速AMGスピードシフトDCTを組み合わせる。0-100km/h加速はクーペと同等の3.8秒、価格は2590万円