輸入車/注目の輸入車試乗レポート

2011年、心に残る12台(3ページ目)

“こたつでみかん”的に振り返ろうにも、重過ぎる1年が過ぎようとしています。クルマの世界はといえば日本車が意気消沈気味。魅力的なクルマも国産車より輸入車が上回っており、そろそろ国産車にも目立ってきて欲しい。そんな1年、印象に残った輸入車を通じて振り返ってみます。

西川 淳

執筆者:西川 淳

車ガイド

4月 熟成モデルチェンジで納得のコンチGT

ベントレーコンチネンタルGT

ベントレー復活の立役者コンチネンタルGTの2代目モデル。最高出力575psの6リッターW12ツインターボエンジンにZF製6ATを組み合わせる。4WDの駆動配分は40:60とされ、最高速度は318km/h、0-100km/h加速は4.6秒となる。価格は2415万円


日本の機能は停止したままだった。もちろん、ボクの頭のなかも、得体の知れない空洞ができてしまったようで、脱力した、ふわふわとした、自分が自分であって自分でないような日々が続いた。

試乗会などのイベントも自粛が相次いだが、震災後、初となるイベントを、勇気をもって開催したのが、ベントレーだった。それが、立ち止まって物理的精神的支援を行うことの大切さを理解しつつ、少しずつでもいいから歩き始めていこうという気持ちのキッカケにもなったのだから、有り難い話である。

新型コンチネンタルGTに乗った。一見、代り映えしないように見えるが、そもそも超高級の世界はそうそう変わるもんじゃない。有名な超高級ブランド品を見れば分かるはずだ。

けれども、中身の進化は、乗れば手に取るように分かる。オウナーだけ分かればいい。特に、クォリティの進化には、目を見張った。高級車における真の成熟モデルチェンジを教えてもらった気がした。

■印象に残ったそのほかの輸入車
BMW X3@東京
BMW X3

BMWがSAVと呼ぶミドルクラスのクロスオーバーSUV、X3の2代目モデル。国内には8ATと4WD(xDrive)を装備した、3リッターNA(自然吸気)エンジンのxドライブ28i(598万円)と3リッターターボのxドライブ35i(694万円)をラインナップする



5月 メルセデスの元気印、現れる! Cクラスクーペ

ランボルギーニアヴェンタドール

ムルシエラゴの後継となるランボルギーニのフラッグシップモデル、アヴェンタドール。カーボン繊維強化樹脂のフルモノコックボディを採用、タブとルーフから構成される乗員セルは重量わずか147.5kg。最高出力700psの6.5リッターV12エンジンと、7速セミATのISR(インディペンデント・シフティング・ロッド)を搭載。0-100km/h加速は2.9秒、最高速は350km/hとなる。価格は4100.25万円


この月は、ローマで始まった。1年来、追跡取材を続けてきたランボルギーニの新フラッグシップ/アベンタドールLP700-4の試乗が、ようやく叶ったのだ。

ところは、ローマ郊外のバレルンガサーキット。とにかく、旧型にあたるムルシエラゴとは隔世の感である。完成度の高さは比べ物にならず、それでいてランボルギーニらしさが随所に散りばめられていて、ノックアウト寸前。あまりの楽しさに、最後のサーキットトライを放棄したほど。なぜなら、心のたががもう外れそうで、クルマを壊してしまう恐れがあったからだ。マクラーレンの強力なライバル、登場だった。
M・ベンツCクラスクーペ

3月のジュネーブショーに初登場した、Cクラスのクーペモデル。日本ではC180ブルーエフィシェンシー(435万円)とC250ブルーエフィシェンシー(598万円)をラインナップ。可変バルブタイミング機構や直噴を備えた1.8リッターターボエンジンを搭載、C180は最高出力156ps、C250は204psとなる


もう1台、数ある今年のニューモデルのなかでも、特に印象深い“フツウの1台”が現れた。M・ベンツのCクラスクーペである。スペインはセビーリャで試乗したが、ノーマルCクーペ、C63AMGともに、運転して楽しいメルセデス。ひょっとしてBMWの上を行った? とまで思ったものだった。とにかく、Cクラスの完成度は文句ナシのレベルへ。イヤーカー授賞も納得である。

■印象に残ったそのほかの輸入車
アウディA7@お台場
フォードエクスプローラー@伊豆
アウディA7スポーツバック

クーペのスタイリング、サルーンの快適性、アバントの実用性を兼ね備えたという4ドアクーペ,A7スポーツバック。3.0TFSIクワトロ(879万円)のみをラインナップ。高出力300psの3リッター直噴スーパーチャージャーエンジンを搭載する



6月 アヴェンタドール、サンタアガータの公道で試す!

ランボルギーニアヴェンタドール

伝統に基づき1993年にスペインのサ ラゴサ闘牛場に登場した勇猛な雄牛の名が授けられた、ランボルギーニアヴェンタドール。量産車で世界初のプッシュロッド式のダブルウィッシュボーンサスペンションを採用。走行条件に合わせてストラーダ(ストリート)、スポーツ、コルサ(サーキット)の3つが選択できるドライブセレクト・モードシステムを搭載


ジャガーXKR-Sや、アストンマーティンV8ヴァンテージSなど、イギリスの名門スポーツカーブランドの“本気モード”モデルを堪能した一ヶ月だったが、とどめはやっぱりイタリア。先月、サーキット試乗したばかりのアヴェンタドールを、ランボルギーニの本社があるボローニャ郊外の一般道で試すことができたからだ。

サーキットでのパフォーマンスは、想像以上に素晴らしいものだった。それじゃあ、公道はどうか。これがまた、上出来。フラットかつハードな乗り心地だけれども、シャシーやボディの吸収と応答に優れ、クルマとの一体感もハンパなく、ランボルギーニの12気筒として、はじめて“毎日乗ってもラク”と確信した。それは、ランボルギーニ新時代の始まり。13年には、50周年を迎える……。
アストンマーティンV8ヴァンテージS

アストンマーティンのラインナップではコンパクトな2シータースポーツ、V8ヴァンテージをベースとした ハイパフォーマンスモデルのV8ヴァンテージS。クーペ(1753.5万円)とソフトトップのロードスター(1900.5万円)をラインナップする。ベースモデル比で30kgの軽量化が図られ、最高出力436psの4.7リッターV8エンジンにシングルクラッチのセミオートマチックトランスミッション、7速スポーツシフト2が組み合わされる


■印象に残ったそのほかの輸入車
ジャガーXJ-SS@アルガルベ


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